栃木県鹿沼労働基準監督署は、同県内の病院に勤務していた男性外科医(当時38歳)の自殺は長時間労働などの過労が原因だとして労災に認定した。
外科医の代理人の川人博弁護士によると、男性は02年5月に埼玉県の病院から栃木県の病院に転勤になった。同月21日に医療事故を起こし、6月14日に高架道路から飛び降り自殺した。鹿沼労基署は、埼玉の病院で恒常的に長時間労働をしていたことや転勤、医療事故などの負担、栃木の病院での支援不足などを理由に労災と認定した。
男性は月数回の当直勤務に加え、休日出勤などで1カ月に80時間を超える時間外労働をしていたという。男性の父親は「夕飯を食べながら居眠りするほど疲れていた。医療の世界が厳しいのは分かるが、死者があってはいけない」と話した。また、川人弁護士は「医師不足が当直の増加や長時間労働を生みだしている。医師不足を解消しなければ過労死を防げない」と訴えた。【東海林智】
毎日新聞 2008年3月27日 22時27分