京都市は26日、同和奨学金返済を補助する自立促進援助金制度や市立浴場の運営などを見直す第三者委員会「同和行政終結後の行政の在り方総点検委員会」を設置した。新川達郎同志社大教授や中坊公平元日弁連会長ら11人の委員が制度の廃止なども含めて議論し、来年3月末までに市に報告書を提出する。
市は同和対策事業について、2001年度の国の特別措置法期限切れと同時に終結したとしている。だが、自立促進援助金の一部は「事実上無審査で支給されているため違法」との高裁判決が確定、市監査委員も支給基準が不十分と指摘している。旧同和地区の市立浴場や市営住宅には、市議会で見直しを求める意見が出ている。
委員会での検討課題として、市は▽自立促進援助金の在り方▽コミュニティセンター(旧隣保館)の活用方法▽市立浴場や保健所分室などの在り方▽空室の多い市営住宅の管理運営▽市民意識向上と住環境整備−の5項目を挙げた。
門川大作市長は記者会見で、同和行政の果たした意義を強調しながら、「職員不祥事の一因になるなど負の側面を生み出した。市民の不信感を一掃しなければ同和問題は解決できない」と述べ、委員会の報告を受けて改革を進める考えを示した。
委員会は4月から月1回程度あり、公開される。必要に応じて専門部会も置く。市の担当理事を除くほかの委員は次の通り。
安保千秋弁護士、田多燿子京都人権擁護委員協議会長、長谷川佐喜男公認会計士、細田一三連合京都事務局長、山下隆子京都青年会議所特別顧問、山本壯太元NHK京都放送局長、リムボン立命館大教授、渡部隆夫京都経済同友会代表幹事。
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