高校や大学などの合格が発表され、それぞれ新しい学び舎(や)へと旅立つ季節となった。
学校を離れ、社会人になると、何か新しいことを学び始める機会そのものが減る。それでも、4月は新しいことを始めるには、もってこいの季節である。私が公民館で受け持っているパソコンサークルでも、受講生さんと話し合って翌年度の講座のカリキュラムを決めた。 そんななかで、受講生がはまっている講座がある。 デジタルカメラ講座である。 パソコンサークルでは、これまですでにデジカメとパソコンとの接続方法、画像編集ソフトを使った画像の加工・編集、CDへの書き込みなどを学んできた。だが、いま行っているのは「デジカメを使って撮った動画の編集」である。最近、こればっかりやっている。 デジカメについている動画機能は、これが意外に使えるのである。 最近のデジカメは、動画のファイル形式がAVIなどのようにそのままパソコンで読み込めるものもあるが、MOV形式のデジカメもある。取扱説明書の「仕様」あたりに動画のファイル形式が書かれているが、なかなか見つけることができないので、受講生と一緒に動画のファイル形式を確認している。 MOV形式の動画を扱っている場合、AVI形式へ動画を変換するフリーソフトQTConverterを紹介し、その使い方を講座で説明している。 MOVファイルをAVIファイル等へ変換するQTConverter(撮影:キャプチャ画像:大谷憲史) 動画の変換が終れば、ウィンドウズ・ムービーメーカー(以下、ムービーメーカー)の出番である。 ムービーメーカーは、上部が縦に3分割され、下部にストリートボード、タイムラインが表示されるようになっている。画面上部の左側に「ムービー作業」なるウィンドウがあり、そこに書かれている通りに作業を進めていく。 (1)ビデオの取り込み 「ビデオの読み込み」をクリックすると、〔マイドキュメント〕内にある〔マイビデオ〕が表示されるので、あらかじめ、パソコンに動画を保存していく。〔マイビデオ〕以外に動画を保存している場合は、〔ファイルの場所〕を変更して動画を探すことになる。取り込まれたデータは、上部の中央にある〔コレクション〕という場所に表示される。 すべてのデータを取り込んだら、動画を画面下部のストリートボードの大きな四角のなかにドラッグしていく。この作業は紙芝居みたいで楽しい。動画の順番の入れ替えも簡単で、入れ替えたい動画の前にドラッグすればよい。 (2)ムービーの編集 まずは、「ムービー特殊効果の表示」である。ここをクリックすると、ビデオの各種効果が表示される。いろいろな特殊効果があるが、講座では、「フェードイン(白から)」「フェードアウト(白へ)」の2つを取り上げている。 「フェードイン(白から)」を最初の動画の上へドラッグする。「フェードアウト(白へ)」は、最後の動画の上へドラッグする。フェードをかけた動画の様子を確認したい場合は、上部の右側にあるメディアプレーヤーの再生ボタンを押す。いろいろな特殊効果があるので、試してみると面白いだろう。 ウィンドウズ・ムービーメーカーで動画を編集していく(キャプチャ画像:大谷憲史) 次に、「ビデオの切り替え効果の表示」をクリックする。 ここでは、シーンの切り替えの効果を適用する。さまざまなビデオ切り替え効果が表示されるので、任意の効果の上にマウスを持っていき、動画と動画の間にある小さな四角の上にドラッグするだけである。切り替え効果を変更したい場合は、新しい効果を古い効果の上にドラッグすればよい。切り替え効果の確認は、またメディアプレーヤーの再生ボタンを押す。 「タイトルまたはクレジットの作成」では、動画の初めと終わりに文字を追加することができる(動画の途中にも文字が挿入できるが、紙幅の関係でここでは割愛)。 「タイトルまたはクレジットの作成」をクリックする。 「ムービーの〔最初にタイトル〕を追加する」をクリックすると、文字を入力できるボックスが現れるので、上部には作品面を、下部には日付や場所などを入力する。入力された文字は、メディアプレーヤーに表示されるので確認しやすい。 詳細オプションとして、アニメーション効果をつけることができるので、タイトルをかっこよく見せたい場合は、ここを工夫すればよいだろう。フォントの色やサイズを変更することもできる。設定が終れば、〔終了〕をクリックすると、動画の最初にタイトルが追加される。 もう一度、「タイトルまたはクレジットの作成」をクリックし、今度は、「ムービーの〔最後にクレジット〕を追加する」をクリックする。文字を入力するボックスが現れるので、ムービープレーヤーを見ながら文字を確認することができる。映画のクレジットのように、「監督・○○○○」「撮影・○○○○」などと入れていくと、遊び心や作品性が高まる。 あとはBGMを挿入すれば完成だが、ここでは割愛する。音楽はどの段階でも挿入できるが、私は「タイトルまたはクレジットの作成」が終った段階で入れるようにしている。 (3)ムービーの完成 ここでは「コンピュータに保存」をクリックする。CDに保存することもできるが、最近はUSBメモリーに保存する機会が多いので、とりあえず、パソコンの〔マイビデオ〕に保存し、その後、USBメモリーに移動したりコピーしたりしている。 「コンピュータに保存」をクリックすると、動画の名前をつけるボックスが現れる。動画名を入力し、ファイルの保存場所を変更する場合は、〔マイビデオ〕を任意の保存場所へ変更する。そして、〔次へ〕をクリックすると、「ムービーの設定」の画面が現れる。ここでは、「コンピュータの最高の品質で再生(推奨)」の先頭にチェックがついていれば、そのまま〔次へ〕をクリックする。 すると、ムービーの保存が始まる。動画の長さによって数分かかる。作業が完了すると、作品化された動画ウィンドウズ・メディアプレーヤーで再生される。 これで編集作業は終わりだが、あとで動画を修正することもあるので、〔ファイル〕をクリックし、〔名前を付けてプロジェクトを保存〕をクリックして保存しておくとよいだろう。 動画作品を鑑賞する受講生たち(2月13日、知事公舎にて)(撮影:大谷憲史) 「オーマイTV」にも投稿できるような動画作品が多数出てくるとうれしいのだが。 日本語の入力からパソコンを始める方法もあるが、こんなふうに、デジカメからパソコンを楽しむという方法もある。
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