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無差別殺人18歳少年、進学断念が影響か

　ＪＲ岡山駅の山陽線２番ホームで、電車を待っていた岡山県道路建設課主任の仮谷国明さん（３８）が突き落とされて線路に転落、瀬戸発岡山行きの普通電車（４両編成）にはねられ死亡した。岡山県警鉄道警察隊は殺人未遂の現行犯で、ホームにいた大阪府大東市の少年（１８）を逮捕した。今春高校を卒業した少年は、家庭の事情で大学進学を断念していた。

　少年は２月２９日に卒業した大阪府立高校では成績優秀で、問題行動もなくおとなしくまじめな生徒だった。２６日午前９時に警察から人物照会を受けた学校側も「最初は何かの事件に巻き込まれたのかと思った」というほどだった。

　同校によると、少年は常にクラスで１、２番の成績。昨年１０月の進路相談までは学校の勧めもあり、学校推薦で国公立大学進学を希望していた。学校側も「合格の可能性は高かった」と高く評価。しかし２年時には進学を後押ししていた両親が「下宿代、学費など経済的負担が難しい」と進学断念を申し出た。

　学校の就職あっせんも断り、少年は「１年間アルバイトしてお金をためてセンター試験を受ける」と自分の力で進学する意欲を見せていた。事務系アルバイトを志望し、簿記検定受検の勉強も進めていた。卒業文集には「３年間いろんな意味でいろんな事があって楽しかった。」と記した。

　３年間で欠席は発熱による２日だけで「精勤賞」表彰を受けた。所属した放送部では、学校行事の放送機器設置など裏方役を黙々とこなした。先生から「ありがとう」と声をかけられると「はい」と明るく返事を返した。ただ中学時代にはアメリカンフットボールをやり、体格もよかったが、おとなしい性格で一時いじめを受けていたという。

　進学断念が心理的に影響したのか、直後の期末試験では成績の悪化も見られたという。２月２９日の卒業式前後には下あごにひげを生やした姿も見られていた。

　大東市の少年の自宅近くの住民は「大柄やけど、おとなしい印象の子」と語った。

　［2008年3月27日9時49分　紙面から］