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同級生に「仕事ない」 岡山の突き落とし事件 '08/3/27

 JR岡山駅のホームで岡山県職員仮谷国明かりや・くにあきさん(38)が線路に突き落とされ死亡した事件で、逮捕された大阪府大東市の少年(18)が約三カ月前、小中学校時代の同級生に「仕事が見つからなくて」と漏らしていたことが二十七日、分かった。

 少年は強く大学への進学を希望していたが、昨年秋、経済的な事情から今春の進学を断念。周囲に「仕事をしながら金をため、来年の進学を目指したい」と話し、事件前日の二十四日にも就職活動をしていた。

 県警は二十七日、少年を送検。「人を刺そうと思った。誰でもよかった」などと話しており、進学を断念せざるを得なかったことに加え、就職活動の難航で心理的に追い詰められていた可能性もあるとみて調べている。

 同級生は約三カ月前、大東市内の駅でばったり会った。少年は普段と変わらない様子だったが「金が足りず大学に行けない。社会人になることを決め、就職活動をしているが仕事が見つからず難しい」と話したという。

 調べでは、少年は二十五日朝に自宅を出て、午後七時ごろ岡山駅に到着。一度駅の外へ出て周辺をうろついた後、駅構内に戻って電車を待つ列の一番前にいた仮谷さんの背中を両手で押して突き落としたとされる。

 父親によると、前日の夜、駅から一緒に帰宅途中、少年がこの日も職業安定所を訪れ、五カ所ほど就職先の候補を探してきたことを知り、慌てないでゆっくり考えるよう諭した。




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