「日流」小説ブームの主役、江國香織インタビュー
韓日両国で20代の女性読者が最も好む日本の小説家、江國香織(42)に東京新宿の著作権センター(JFC)でインタビューした。彼女の小説『冷静と情熱のあいだ』は韓国で30万部以上売れ、若い女性を中心に高い人気を得ている。
最近、某大学が発表した図書貸し出しリストに江國作品が2位と5位に入っていると伝えると、彼女は「本当ですか?どうしてでしょうか?」と喜びを隠せなかった。
―小説『冷静と情熱のあいだ』で主人公のあおいは浴槽で本を読みますが、あなたも同じことをしますか?
「はい。私は病的なほどにお風呂が好きです(笑)。一日の半分は浴槽で過ごします。主に午前中を浴槽で過ごし、文章は午後に書きます。一日の平均睡眠は4時間です。少ししか寝ないのは仕事のためですが、お酒を飲んでから寝るので睡眠時間が減ります(笑)。お酒は何でも好きですが特にカクテルが好きです」
―あおいはどんな女性ですか?
「彼女は英語、イタリア語、日本語の3か国語を話します。多くの言語を使えば個人の中に互いに違う人格と性格が内在します。だからより魅力的です」
―あおいは一人の男性を束縛する面と反対に束縛される面を持つ人物のようですが?
「すべての小説に使われる恋愛の鉄則があります。愛の瞬間そのものが真実で正直であるなら、愛は単数ではなく複数になることができます」
―あなたの愛読者は主に20代の女性ですが、女性にとって20代とはどんな意味を持ちますか?
「私の20台前半は周りからは扱いにくく生気地で暗い性格でした。でも20台後半には自由で明るくなりました。20代初めの時期は愛情や友情などを信頼することが出来ないし、内気で心も開きません。そんな時に無理やり世間に妥協したり大人たちに合わせる必要はありません。自ら納得することが出来る時期に大人の仲間入りをしても遅くはないのです」
―あなたの多くの小説に「セックスをした」という文章がよく出てきますが、セックスの細かい描写はありません。どういった信念を持っていますか?
「信念?(笑) 韓国の小説はセックス描写がリアルなのでしょうか? 私ももう少しあちらのことを勉強しなければなりません。小説を初めて書いた時は意識的に(セックス描写を)なくしました。描写を最大限減らしたほうがもっと刺激的だと思ったからです。でも最近は意識的に書こうとしています」
―最近韓国語に翻訳された小説『東京タワー』は、「世の中で一番悲しい風景は東京タワーに雨が降ることだ」という文章で始まります。『冷静と情熱のあいだ』でも雨が降る風景はあおいの悲しい過去を暗示していますが。
「私は雨が好きです。文章を書きながら天気や温度、ふと感じらる気配がいつも気になって敏感になります」
―日本では韓流ブームが定着しています。特に女性がヨン様(ペ・ヨンジュン)に夢中になっていることを不快に思う男性も多いですが、あなたはどうですか?
「(両目を大きく見開いて)ヨン様って韓国人なんですか? 私はテレビをまったく見ないのでヨン様が出演したドラマを見たことがありません。でも、ヨン様の噂だけは聞いていたので分かります」
―ヨン様に会ってみたいですか?
「いえいえ、恐ろしいです。(ヨン様人気が)どのくらいか分からないので…」
―韓国映画や小説の中で記憶に残る作品はありますか?
「韓国小説は読んだことがありません。兄弟がアジア映画が好きで一緒に韓国映画を何度か見ましたが、タイトルやストーリーは思い出せません。ただ韓国の風景が美しかったということは覚えています。映画で見た韓国の森や風景はヨーロッパのイメージに近かったです」
―もし外国に住むとしたらどこで住みたいですか?
「ドイツや北ヨーロッパが自分には合うようです。雰囲気や食べ物もすべて」
―あなたは10年前に出版したエッセイ『いくつもの週末』で新婚生活の面白さを率直に書きましたが、あなたが思う家族と結婚とは何ですか?
「夫婦と家族は別個の形態だと思います。夫婦は子供がいると家族になります。 子供がいるといないでは家族の楽しさや風景が異なるはずです。私はあえて夫婦と家族を一緒にしたくありません。夫婦は恋愛に最も近いです」
―あなたの結婚生活は夫婦と家族のどちらですか?
「私は夫婦の形態です」
―小説を書くことを通じて伝えようとするあなたのメッセージは何ですか?
「私は読者にメッセージを伝えることが好きではありません。物語の空間を作って読者たちに見に来てくださいと言います。小説を読むことは一種の旅行です。まるで旅に出て自分が住む場所と違う空間に行って、その場所の空気を吸いながら別の体験をすることのようです。それが小説の魅力ですね」
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