「日流小説ブーム」到来 女性を中心に大人気
ペ・ヨンジュンが中心となった韓流の向こう側には、日本の女性作家による日流ブームがある。
村上春樹、村上龍、浅田次郎といった40~50代の男性作家はすでに過去の部類。今は10代後半から20代の女性を中心に日本の若手女性作家の作品が人気だ。作家のチョン・イヒョンさんは、こう告白した。「私の友人は私の本を読まなくても江國香織の新作には目を通しています」。
昨年、ソウル大学図書館の貸し出し総合順位の20位内に日本の小説が8冊入った。2000年には5冊だった。コリョ(高麗)大学図書館の20位までの貸し出し順位にも8冊が入り、ソガン(西江)大学図書館も同じだった。
貸し出しリストには江國香織、吉本ばなな、村上春樹、綿矢りさといった日本の作家3~4人の作品が入っている。インターネット書店のアラジンでも 「2004年1~8月に比べ、今年の同時期に日本の小説は種類、売上共に130%成長した」という。
こうした日本小説の人気の中心には江國香織がいる。2001年に初めて紹介された後、4年余りで『冷静と情熱のあいだ』『きらきらひかる』『ホテルカクタス』など7冊を発売し、どの小説でも最低2万部以上は売れている。コラボレーションした『冷静と情熱のあいだ』は70万部以上が売れた。
吉本ばななの人気も着実に高まっている。1999年に韓国語版が出版された『キッチン』から最近作の『不倫と南米』まで10冊が発売されている。『キッチン』は52版を超え、少なくとも30万部以上が販売されたと推定され、他の作品も平均20版以上を超えている。吉本作品を出版している民音社は「毎年平均10万部以上が売れている」と話す。
なぜ日本小説なのだろうか?ヨンセ(延世)大学に通うチョ・ヘウォン、チェ・シニョン、ピョン・サンウォンさんは「深く考えず、すぐに忘れることができて負担がない」「私たちの身近にある話しのようだ」「繊細な感性のタッチ、自然な翻訳がすばらしい」と言う。もちろん「日本小説にありがちな憂鬱な空虚感は残酷だった」という意見もある。
出版評論家のパク・チヒョンさんは、出版批評誌『企画会議』に寄稿した文で韓国で人気の日本小説の内容を分析した。▲独身▲専門職の女性▲周囲の視線を気にしない自由な生き方▲クールなキャラクター▲日常の喪失感▲関係の寂しさ…。韓国映画『シングルス』、ドラマ『屋根部屋のネコ』などでは既に成功を収めた内容だ。しかし、文学では韓国文壇特有の文学主義や厳粛性に押され、そういった内容を記した本格的な作品が登場しなかった。
10代半ばから20代初めの作家が日本の文芸賞を総なめにしている。「新鮮、衝撃、新しい才能」を前面に出し、文芸賞は新人たちの登竜門になっている。生田紗代、山崎ナオコーラといった作家のほとんどは80年代に生まれ二十歳を過ぎたばかりだ。今年の受賞作は中学3年女子、三並夏の『平成マシンガンズ』。すでに多くの出版社がオファーを出しているという。
日本の小説を多数出版しているファンメのチョン・ジョンラン代表は「韓国作家の小説はとても深刻で重く真剣なのに比べ、日本の作家たちは10~20代の関心や悩みを描き、日本の文学界がこれを自由に受け入れている」と日流現象を分析する。
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