愛知大、法科大学院初の不適合 認証機関「受験に偏重」2008年03月27日03時10分 法科大学院を評価する認証機関の「日弁連法務研究財団」は26日、愛知大法科大学院(名古屋市)について、財団が定めた基準に適合していないと判定した、と発表した。カリキュラムや授業内容が「受験対策に偏っている」とされた。新司法試験制度のもとで法科大学院が04年に開校して以来、「不適合」の判定が出たのは初めて。 評価結果によると、3年生の4科目で、時間内に試験形式で答案を書かせる「答案練習」形式の授業を必修としているほか、司法試験で重視される法律基本科目に授業が偏っていた点などを指摘し、司法試験対策を過度に偏重した面があったとしている。 財団の担当者は「大学は、合格率を意識しすぎている。予備校が法科大学院をやっているような状態だ」「創造的、批判的な検討能力や法的分析力が養われるかは疑問だ」などと指摘した。愛知大は、06年に実施された初めての新司法試験で13人が合格。7割以上の合格率は、全大学院の中でも3位となり、注目を浴びた。 今回の評価に対し、愛知大は同日、名古屋市内で堀彰三学長らが記者会見を開き、「評価を真摯(しんし)に受け止め改善に努めるが、意見を異にする部分もある」と不満をにじませた。加藤克佳・法務研究科長は「試験対策をしている意識はない。司法試験さえ受かればいいとも考えていない。大学の主張が理解されず大変残念だ」と述べた。 愛知大は今後、試験形式で法律文書を作らせる講義などは取りやめるという。新年度は、問題視された科目を開講しないなど暫定的な対応にとどめ、09年度から正式にカリキュラムを改めるとしている。 このほか、今回の評価では、独協大が「必要な教員の人数を満たしていない」などの理由で、財団による再評価を受けるよう要請された。立命館大も、教員が答案練習会を開いていることが問題点として指摘された。 PR情報社会
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