2006年から、本格的な加湿機能が付いた“加湿空気清浄機”が大ヒット。その流れをうけ、今年も、店頭に“加湿空気清浄機”という分類ができるほど、加湿付きのタイプが増えています。そして、さらに先を行く機種も登場し、空気清浄機に新たなスターが登場する予感も!
それでは、2007年秋・発売の新製品から、注目&人気を集めている機種をピックアップし、ご紹介したいと思います。あなたが気になる機種は、どれですか?
■1台4役!エアーコーディネーター登場~ダイキン
注目度No.1といえば、こちら。発売前から、かなり話題を集めてたダイキンの新製品は、何と【空気清浄機】に【加湿】を合体するだけでなく、さらに【除湿】を合体してきました!1台で、空気清浄・脱臭・加湿・除湿の4役をこなすということで、「エアーコーディネーター」という新しいジャンルを提案。では最大の特徴となる【除湿】が搭載されるメリットに注目してみましょう。
・フルシーズン活用できる!
ひとつめは、フルシーズン使える家電になること。四季のある日本では、夏は【除湿】・冬は【加湿】と、季節に応じて湿度の調節が必要となります。さらに、花粉の大量飛散やハウスダスト対策などで【空気清浄機】を通年置く人も増えています。3台が1台に合体すれば1年通して活用できだけでなく、収納場所を考えずに済みます。
・冬でも湿度コントロールでき、結露防止にも!
ふたつめは、湿度のコントロールができること。例えば、加湿をしたまま寝ていたら、朝は結露でびっしりと言う経験が皆さんにもあるかと思います。これは、加湿でたくさんの水分を含んだ温かい空気が、温度の低い窓ガラス面で冷やされ、水滴となってしまう現象=結露。特に暖房を消した後は、この結露が発生しやすい状況となります。【除湿】が搭載されれば、こんな問題も解決!「ハウスキープモード」では、【加湿】の後【除湿】へと切り替わり、余分な湿度を回収して結露防止をしてくれます。
もちろん【空気清浄&脱臭機能】は、従来の空気清浄機と同様の技術を採用し、基本性能としてバッチリ。【加湿】はハイブリット式でスピーディーと省エネを両立。また、加湿フィルターが水につからず、必要な時だけ水車が回転し水を汲み上げて加湿する「水車給水方式」を採用し、カビの繁殖やニオイを抑制しています。このように、他の性能に関しても、充分高性能な仕様となっています。
★ガイドの感想★
複合機が好きなガイドにとって、1台4役にはかなり、そそられました。しかし、まだ初代ということもあり、使い勝手で多少気になる点もあります。
(1)【除湿】⇒【加湿】へは自動で切り替わらない...
まずは【加湿】⇒【除湿】への自動切り替えはできるけれど、逆ができないこと。朝方【除湿】に切り替わり、再び湿度が下がっても、自動で【加湿】にはならない訳です。これは、水タンクがひとつのため【除湿】で集めた水をそのまま【加湿】に使うことになるため、衛生面を考慮し、あえてできない構造にしているとのこと。タンクを2つにすることで、問題は解決できるが、本体サイズとの兼ね合いで、今年は見送ったそうです。これができれば、完全お任せ運転ができたのに、残念です!来期に期待ですね。
(2)夏場の【除湿】がやや心配
また【除湿】には、デシカント式を採用しています。デシカント式は、温度が低い冬場には威力を発揮しますが、ヒーターを使うため消費電力が大きいことと、室温が上昇してしまうのが弱点。夏場で、気温・湿度ともに高い場合は、エアコンと使い分けるなど、上手に活用することをおすすめします。
とは言え、空気質の調整に必要な要素が全て搭載された『クリアフォース』は、なかなか魅力的。ダイキンでは、今後もこの「エアーコーディネーター」という新しいジャンルを意欲的に展開していく予定とのこと。来年は、他社も追随するのでしょうか?楽しみですね。
■新気流で機構でパワーアップ!~SHARP
昨年、本格的な加湿機能を搭載したことで大人気となったSHARP。2007年秋に発売となった2代目も、引き続き人気をキープしているようです。デザインも一新され、落ち着いた石目タイプと、シャネルの様なキルティングタイプ、どちらも売り場で目を惹きます。特に赤の石目は、シックな仕上がりで和室にもぴったり。このように、インテリアや好みに合わせて選べるのも魅力のひとつ。それでは、今機種の特徴をまとめてみます。
・「新気流」で空気清浄効率アップ!
一番大きく変わったところは、吸い込みと吹き出しの構造。空気力学を応用し、室内の空気をできるだけ効率よく吸い込み・吹き出だす「新気流」で勝負。「ホルン機構」により、ななめ20°に吹き出す気流は、天井に沿って部屋の隅々に届くため、室内の空気が確実に対流します。さらに背面全面で吸い込む「背面グリッド機構」でしっかり吸い込むため、部屋の空気が効率よく循環。これにより、吸じん率は従来の1.5倍に!さらに、風量を高めた最大容量タイプでは、吸じん率は2倍と、かなりの性能アップとなりました。
・9段階の「ハウスダストモニター」で効果が見える
室内の汚れの度合いが目で確認できる9段階の「ハウスダストモニター」。ホコリセンサーが部屋の様子を細かく検知し、ランプの色でお知らせします。空気清浄のレベルを、9段階もの細かさで表示をしているのはSHARPのみ。性能に対する自信の表れとも言えます。さらに、3段階レベルの「ニオイモニター」と、現在の湿度(目安)が分かる「湿度モニター」とで、室内の状況がトータルで把握できます。
★ガイドの感想★
効率よい集じんのための「全面背面吸い込み」だが、壁から30cm離さなくてはならないのが気になります。
加湿と空気清浄機のパワーが大きい機種から、個室向きの小型まで商品展開が多く、選びやすいのが強み。消費電力・音・フィルターコストなども優秀で、人気があるだけの実力を備えたモデルと言えます。しかし、気になるのが「全面背面吸い込み」のため、壁から30cm離しての設置が推奨されている点。狭い日本の住宅事情を考えると「壁から30cm離す」ことは厳しいのが現実です。特に、床に置く家電は歩行の邪魔にならないことがベスト。できれば、壁ギリギリに置ける仕様にして欲しかったかなぁ...と思いました。また、昨年の機種ではできた「加湿単独運転」ができなくなったのも残念。常に空気清浄を運転する人は気にしなくても良いでしょうが、加湿だけしたい!と思う人は注意して下さい。
■全フィルター交換不要で楽々!~三菱電機
実は、加湿を合体した空気清浄機を初めて発売したのは、三菱です。昨年は、SHARPのパワーに押されてしまいましたが、今年は新たな魅力を加えて勝負をかけます。その魅力とは...なんと「フィルター交換不要」&「お掃除レス」とか!これはかなり期待が持てます。では、簡単にその仕組みをまとめてみましょう。
・全フィルター交換不要
なんと今機種では「集じん・脱臭・加湿」の全フィルターが交換不要となりました!洗うと再生する脱臭フィルターは既にいくつかのメーカーで採用されていましたが、集じんフィルターが洗えるのは、現在この機種だけ。さらに、加湿フィルターは『交換&お掃除レス』!加湿フィルターは、カルキ濃度が濃くなることで目詰まりが起こりやすくなるため、今年は「ディスク気化式」と「カルキ水回収システム」を開発し、加湿フィルター(ディスク)に付着する水垢を抑制しました。それにより、お掃除レスを実現。これはかなり画期的です。
・水脱臭
先の「加湿ディスク」と「カルキ回収システム」は、脱臭にも活用されています。アンモニアなどの水溶性のニオイは、水に溶けるため、加湿ディスクでキャッチすることが可能。さらに、ディスクが捕らえたニオイを、水トレイ内に溶かし込み、「カルキ回収システム」で回収するため、加湿しながら部屋の生活臭を効率よく取り除くことができるようになるのが特徴です。
★ガイドの感想★
複合機は、フィルターの種類や手入れをしなくてはならない部位が増えるため、メンテナンスが複雑になるのが最大のネック。全てのフィルターが『交換不要』というのは、この機種の最大の魅力だと感じます。また、加湿の場合、フィルターが目詰まりしたり、水タンクがヌルっとしたりで、半月から1ヶ月に一度はお手入れが必要だったので、交換不要ではなく『お掃除レス』となったのは、かなり画期的です!その証拠に、同じ方式の加湿器「ラクリアミスト」は、一時、入荷待ちとなるほど大人気だったようです。ちょっと気になるのは、帯電により集塵するフィルターを洗ってしまって、本当に元の性能まで戻るのか?という点。1年後の評価を期待したいですね。また、こちらも背面吸じんのため、壁から20cm離すのが推奨。前面吸じんではダメなんですかねぇ?
以上3機種が、巷で注目&人気を集めている機種と言えるでしょう。
2008年3月26日 11時00分