ＪＲ「突き落とし想定せず」　岡山の事件に困惑

　ＪＲ岡山駅で、ホームから突き落とされた男性が電車にはねられ死亡した。ＪＲ西日本は線路転落を防ぐため、一部の駅で柵を設けるなど対策を進めているが、全駅設置は難しく「今回のような突き落とし事件は想定外」と困惑している。

　ＪＲ西によると、管内の在来線では、今月１５日に開業したおおさか東線の河内永和駅とＪＲ長瀬駅で全ホームに柵を設置。ＪＲ東西線の北新地など３駅も一部ホームに設けている。

　設置できるのは、ホームが直線で、電車のドアの位置が統一されていることなどが条件となる。柵と電車の間に乗客が取り残される事故も想定されるため、車掌から見通しがよいことも必要で、設置駅はなかなか増えないという。

　ＪＲ西管内では昨年４月以降、今回と自殺と判明したケースを除き転落事故が５件発生。同社は「安全確保の重要性は認識しているが、すべてのホームに設置するには課題が多い」としている。