松井は6回、適時打で二塁から生還。ジラルディ監督と開幕スタメン確約のタッチ(原田史郎撮影) |
【ウインターヘブン=米沢秀明】ヤンキースの松井秀喜外野手が25日、インディアンス戦に6番左翼で先発出場し、3打数無安打1四球で連続試合安打は6でストップした。しかし、初球から一発を狙うように引っ張りに行く荒々しい打撃もみせ、ジラルディ監督は「松井にはもう手術の影響はなく、準備ができている。先発選手だ」と開幕スタメンを力強く確約した。厳しい先発争いを制し、ついに松井は自力で08年の定位置を奪い取った。
課題の投手陣が前半から打ち込まれ5−7で敗れた試合後。ジラルディ監督はこの日左翼手として7回まで出場した松井について、記者団に「先発選手として考えているか」と確認され、「そうだ。松井はヤンキースの先発選手だ」と初めて今季の松井のチーム編成上の位置について明言した。
巨人時代からレギュラー出場は当然だったスター選手が今オフに置かれた立場は微妙だった。右膝手術と若手の台頭で、一時はトレードや開幕スタメン落ちの危機もささやかれたが、今月9日にオープン戦に復帰してから急加速。32打数12安打と安定した結果を残し、わずか出場12試合で首脳陣に力を見せつけた。
「現在の松井を見る限り、動きの中には故障による制限は何も感じられない。マイナーの試合を含めてすでに十分に打席数をこなしているし、もう問題はない。開幕への準備は出来上がっていると思う」とジラルディ監督。DHもしくは左翼手として松井はヤンキース打線の一角を担うことになる。
さらにジラルディ監督は、翌26日に松井に久しぶりの完全休養日のサービスも。帰ろうとする松井に駆け寄り、わざわざ呼び止めてねぎらいの言葉をかけた。
この日松井は結果は悪かったが、思い切って引っ張る積極的な打撃をみせた。ベテラン右腕バードに対して、2打席目までそれぞれ3球目、初球を打って遊飛、二ゴロ併殺で凡退。四球を選んだあとの4打席目もまた3球目を打って詰まった一塁ライナーだった。
「ちょっと今日は打ち損じだったかな。明日はゆっくりしたい。ユニホームを着ない日というのは1カ月半ぶりだから」
ゴジラの逆襲はまだ始まったばかり。それでもオープン戦の逆襲はまず成功裏に終わってのつかの間の休日となる。
ZAKZAK 2008/03/26