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中国外交、チベット問題でピンチに (2/2ページ)
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こうした国際社会の「対話」を求める大合唱に対し、中国外務省の秦剛報道官は25日の会見で、「ダライ集団の真の姿を見極め、事の是非を判断してもらいたい」と語り、国際社会に中国の立場への理解を求めた。しかし、「ダライ集団の真の姿」を示す具体的な証拠を示さなかった。
ダライ・ラマは90年代以後「チベットの独立ではなく、高度の自治を求める方針」を再三強調している。しかし、中国は彼を「分離主義者」と決めつけ、全く接触しようとしない。中国には古くから「漢賊は両立せず(正義と悪は一緒には存在しない)」との言葉があるほどで、いったん敵と決めた相手とは交渉しないことが基本だ。ダライ・ラマに限らず、中国は、靖国神社を参拝し続けた小泉純一郎元首相に対し、日中間の首脳交流を中止した。台湾の李登輝前総統を「台湾独立分子」と一方的に決めつけて対話せず、徹底攻撃したのも、このためだ。
しかし、このような非近代的で硬直した姿勢をとり続ける中国政府に対し、国内からも「国益を損ない、自分の手足を縛るやり方だ」との批判はある。
北京五輪前にも、胡錦濤主席の訪日や主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)などの外交日程が控えている。対話拒否を続ければ、五輪開会式に参加しないという指導者が増える可能性もある。