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「大学進学断念が家出理由の一つ」と少年 岡山突き落とし

2008年03月26日

 岡山市のJR岡山駅で岡山県職員の假谷(かりや)国明さん(38)を線路に突き落としたとして、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された大阪府大東市の少年(18)が岡山県警の調べに、家出をした理由の一つとして、家庭の経済的事情で大学進学を断念したことを挙げていることが26日わかった。県警は、こうした事情が犯行動機につながる可能性もあるとみて調べている。

 県警や少年が今月卒業した大阪府の府立高校によると、少年は高校2年のころ、国立大学の医学部に行きたいと担任に話すなど、大学への進学希望を持っていた。しかし、派遣会社員をしている父親(56)が、高校卒業後の進路について話し合った際、「貧乏で大学に進学させられない」と少年に告げた。すると少年は、1、2年働いて金をためてから国立を狙うと答えたという。

 少年は調べに「進学希望があったが、経済的な理由であきらめたことが家出の原因の一つ」と供述。県警は少年が投げやりな心境になっていた可能性もあるとみている。

 また、少年は調べに「大阪を離れたいと思い、行くあても確認せずに電車に乗った」と話しているという。

 調べでは、少年は25日午前8時半ごろに自宅を出て、私鉄で兵庫県姫路市まで行き、午後7時ごろにJRの在来線で岡山駅に到着。同11時7分ごろ、電車を待つ行列の先頭に立っていた假谷さんに左後ろから近づき、背中を押して線路に突き落としたとされる。假谷さんは出血性ショックで死亡した。

 父親は少年に岡山の土地勘はないはずだとしており、県警も、少年がたまたま岡山駅で電車を降り、犯行に及んだとの見方を強めている。

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