まずは3紙記者が、今シーズンのセ・パそれぞれの「見どころ」を紹介します。新人選手の加入、選手補強の効果のほどや、キャンプからオープン戦を通じて見た各球団の戦力分析などを踏まえ、最後に、両リーグの1位から6位までの順位予想をします。
――セ・リーグは3月28日(金)に開幕。今年のセの注目ポイントは?
◆下位チームに求められるロマン
篠山(日経)
「中日」の連覇なるか、でしょうね。落合監督は就任の2004年から「優勝」「2位」「優勝」「2位(日本シリーズで日本一に=写真右)」と、常に優勝争いにかかわっている。今や「中日時代」「落合時代」の感があります。これに「巨人」が待ったをかけられるかどうか、が焦点でしょう。
「阪神」は先発投手のできにかかっていると思うのですが、やや弱い。どこまで踏ん張れるかです。
セ・リーグの構造は、「中日」「巨人」「阪神」の上位3チームに、下位3チームから実力選手が持って行かれる、その結果どんどん「格差」が開く、という事態になっています。「ヤクルト」からラミレス、グライシンガーが「巨人」へ、「広島」から新井が「阪神」へ、というふうに。
でも、そんな下位チームが頑張ってセ・リーグを盛り上げるというロマンが欲しいですよね。カギは高田繁・新監督の「ヤクルト」かもしれない。新人の由規(佐藤由規)は開幕1軍こそ逃したが、楽しみな若手投手が複数いる。「西武」に石井一久が移籍した穴は大きいが、「人が抜けたところに人が育つ」といわれるように、ロマンに最も近いチームだと思います。
◆巨人の補強、ファンに受け入れられるか
志方(朝日)
意地悪な言い方ですが、「巨人の野球はファンに受け入れられるのか」が、一つの見どころではないでしょうか(笑)。「巨人」はラミレス、グライシンガー、クルーンと他球団の主力外国人選手を獲得した。それぞれ、チームの弱点を補ったもので、戦力的に見れば、かつて4番打者ばかり取っていた補強とくらべても、確実にプラスになっているはずです。
ただし、ひと言で言うと「品がない」の感じが否めない。おそらく強いとは思いますよ。でもそれがプロ野球ファンに受け入れられるのかどうか。巨人ファンは、強ければそれなりに喜ぶでしょうが、巨人戦の視聴率回復につながるとは考えにくいのです。
私も、「取られたチームの意地は?」という視点で観戦するのも面白いと思います。セは、補強を見ても、「中日」「巨人」「阪神」が“取る側”で、「横浜」「ヤクルト」「広島」が“取られる側”に分かれた。そんな状況で上位3球団にはない若い選手の台頭を見てみたいですね。
◆巨・中ともに「すっきり」しなかった昨年
小石川(読売)
朝日の志方さんに「巨人」のこと、あれこれ言われちゃったけど(笑)、やっぱり「巨人」と「中日」の争いは面白いと思いますよ。「巨人」は昨年、リーグ優勝したのに、クライマックスシリーズ(CS)で「中日」に3連敗。CSに勝った「中日」は、日本シリーズでも日本ハムを破って53年ぶりの日本一に輝きました。でもリーグ優勝は逃している。結局、どちらも優勝しながら、すっきりしない思いも残しているわけですよ。
また、両チームは昨年の対戦成績も12勝12敗とまったくの五分。オフの間の補強などで、双方とも戦力は充実しているし、今年こそ完全な形で日本一に、という思いは強いと思うのです。
それから、監督では「ヤクルト」の高田繁・新監督に注目です。計算できる投手がごっそり抜けて、戦力的には確かに苦しいでしょう。しかし、昨年が6位だったから、逆に思い切った野球ができます。「日本ハム」のゼネラルマネジャー(GM)として、ヒルマン監督をフロントの立場から支えた手腕を、監督としてどう生かしていくのか、楽しみですよ。
――戦力的に強いなと思うのは、どの球団ということですか?
◆実力の「中日」を戦力十分の「巨人」が追う展開
志方(朝日)
やっぱり「中日」ですよ。福留が抜けた穴を感じさせない。特に投手陣は充実していて、中でも中田の調子がよさそうなんです。荒れ球が欠点だったけれど、今年は少なそう。元々、直球のキレは球界随一といっていい。最多勝できるのではないでしょうか。
野手陣も脂がのっているのですが、ポイントは荒木でしょうね。昨年はケガもあって満足に働けなかったが、彼が1年間、試合で出られるというのであれば、心強い。「巨人」と“2強”という状態ではありますが、キャンプの練習量とか質を見ると、「中日」の方が上かなあ、と。
追うのは、「巨人」。論評するまでもない戦力を誇る。ただ、問題は守備なのでは? ラミレス、谷の外野の不安は残るし、神宮球場も広くなったし……。
「阪神」は、昨年の戦いぶりを見ると、やや戦力が下降線なのかな、と思う。新井を獲得したのは大きいが、得点力不足、先発のコマ不足はまだ残っています。JFK頼みの試合が減れば、つまり先発ができるだけ長く踏ん張れれば、上位2チームの中に食い込んでいくことは可能でしょう。
◆確かに「中日」はそつがない
小石川(読売)
キャンプ、オープン戦と見てきたのですが、「中日」にそつのない強さが目立ちますね。先発、抑えも万全だし、なにしろ守備がいい。福留が抜けて、どうかと思いましたが、打つ方も守る方もそれほど大きな戦力ダウンにはなっていない感じがしました。
「巨人」は、小笠原、二岡といった主力打者が多少出遅れたけれど、開幕には間に合いそうです。オープン戦で故障した阿部も大丈夫そうだし、2年目の坂本という新戦力が出てきたのも大きい。先発投手陣も上原を中心に順調そうだし、新加入のグライシンガーが(勝ち星を)計算できるのも好材料です。フルメンバーがそろえば、という条件付きですが、投打ともに層の厚さは群を抜いていると言えると思います。
「阪神」は、先ほど志方さんも言っていたけれど、新井の加入で打線の破壊力はアップしたけれども、先発陣が少々手薄という感じがします。
◆負けない野球する「中日」の岩瀬に注目
篠山(日経)
「巨人」が強いとは思いますが、二岡らケガからの復帰組がどこまでやるか次第なのでは? 抑えのクルーンも、どうなりますか。160キロの速球とは言っても、バットに当たる160キロなんです。調子に乗れれば、活躍するのでしょうが、滑り出しで決まるような気がします。
「中日」は「負けない野球」をするんですよ。オープン戦を見ていたら、荒木が出て、走って、暴投やらで三進、内野ゴロであっさり生還という得点パターンは健在でした。ウッズらが打つに越したことはないが、打たなくても、きっちり点はとれるような野球をしようという姿勢が見えます。和田も5番に起用はしていましたが、落合監督は、あまり多くのものを期待していないのではないでしょうか。
岩瀬は、寿命の長いクローザーですね。大リーグで言うならヤンキースのリベラみたいな。昨年の日本シリーズでも最後の大舞台をぴしゃり抑えたように、精神力も大したものです。
「阪神」は、新井ですよ。甲子園というあのプレッシャーの中で、どこまでやれるかどうか。日本代表のアジア予選でも右方向に器用に運ぶうまさを見せていました。以前からそうだったと言うけれど、どんどん伸びている感じがする。開幕1か月、うまく走り始めることができれば、というところです。今岡が目の色を変えているらしく、相乗効果も望めそうです。ただ、矢野が今年40、野口も37歳になるなど捕手の年齢が高い。総じて巨・中にはちょっと届かないような……。
――なるほど。セの上位3チームは、ほぼ同じ予想ですね。6位までの順位予想は後でしてもらうとして、次にパ・リーグの見どころを。20日のパ開幕戦は、「日本ハム」ダルビッシュの完封あり、「ソフトバンク」柴原の逆転サヨナラ弾ありと、大いに盛り上がった。注目すべき点は多いでしょう。
◆“団子レース”の展開だが、“台風の目”は「オリックス」
篠山(日経)
パは、“団子レース”でしょうね。当面は「ロッテ」「日本ハム」「ソフトバンク」を中心に展開していくでしょう。
「ロッテ」は成瀬、渡辺俊介、小林宏ら先発陣が充実しています。小林雅が抜けた抑えはアブレイユという新外国人で補える。常時150キロ近い球。攻撃力も、昨年のチャンピオンの「日本ハム」よりあるのではないかなあ。
その「日本ハム」は、梨田監督の采配に注目です。抑えるところは抑える。新人・中田の扱いにしても、話題づくりという面を承知で起用しているところがあるが、穏やかそうに見えて考え方のしっかりした監督だから、理にかなった使い方をすると思いますよ。
「ソフトバンク」は松中、大村といった主力の高齢化が気がかりです。城島が抜けたあと、捕手というポジションを埋め切れていない。投手は大場、野手なら松田ら若手がどれだけ王監督の期待に応えられるかでしょうね。
“台風の目”は「オリックス」ですよ。岸田、金子といった中堅どころの投手に、今年はブレイクしそうな気配があるんです。ローズ、カブレラ、ラロッカの3人衆に目が行きがちですが、実は“隠れた投手王国”という説もあるんです。
「楽天」は、ルーキーの長谷部がひざを痛めたのが、とても残念ですね。復帰がいつになるか、わからない。彼が元気なら面白かったのに、野村監督も「ツキを使い果たした」と嘆いていました。
◆「日本ハム」の新人・中田のキャラがいい
志方(朝日)
個々の選手の「個性」が際立っていますよ、今年のパ・リーグは。その一番手が「日本ハム」の新人・中田でしょう。彼がどんな1年目を過ごすか、これが見どころです。実力どうこうよりも、キャラクターがいい。話し方、態度、雰囲気、どれも面白い。当面、一軍定着は難しいかもしれないし、失敗もあるでしょうが、奔放なキャラクターのままで、プロ野球選手として成長して欲しいと思います。
「楽天」の田中は「注目の2年目」です。田中は実力も本物になってきた。日経の篠山さんの話にもあったが、本当は長谷部との若い“二枚看板”ぶりを見たかったが、ケガで離脱したのは痛い。田中は、壁にぶつかったときに、それをどう乗り越えるか、弱い楽天をどう引っ張っていくか、試される年でもある。
ダルビッシュ(日本ハム)は、「その投球を生で見たい」と一番思わせる投手でしょう。単純にダルビッシュの投げる姿を見たい、と。開幕戦(対「ロッテ」)の10三振完封もすごかったが、今年も活躍を期待します。
◆梨田・新監督が「日ハム」をどう変えるか
小石川(読売)
一番の焦点は、リーグ連覇したヒルマン監督を引き継いだ梨田監督が、どんな野球を見せるか、でしょう。徹底的に守りを固めるヒルマン野球は、監督にとってものすごい忍耐力が必要といわれます。昨年もそうでしたが、シーズン中に全く打てない時期があったし、日本シリーズの最後の試合はとうとう一本もヒットを打てずに終わった。中田という大型新人も加入したが、前任者の野球を踏襲するのか、チームを変えるのか、注目です。
そして、その中田。キャンプ初日の打撃練習を見ていたのですが、打ち終わると同時に、スタンドから自然発生的に拍手がわき起こるんです。こんなスター性のある新人はちょっとほかにいません。大変だとは思うが、梨田監督には、少々打てなくても1軍に置いて使ってもらいたいです。中田であれば、少々失敗しながらも少しずつ成長していく姿を、ファンは見守りたいのではないか、と思います。
――パ・リーグは今年も「日本ハム」が優勝に一番近い、ということですか?
◆投手力で「ロッテ」が強そう
小石川(読売)
投手力で見てみると、一番充実しているのは「ロッテ」だと思いますね。開幕投手を務めた小林宏、成瀬らを擁する先発陣は非常に強力です。「日本ハム」もかなり強い。今や「日本のエース」に成長したダルビッシュを軸に、先発陣は大きな連敗をしない。中継ぎ、抑えがかっちりしていますよ。
「ソフトバンク」は投手陣に故障者が多いのが心配です。2年目の大隣、1年目の大場という、大学出身の二人が活躍しないと優勝は難しいと思います。
「楽天」は昨年4位に躍進して注目していたのですが、即戦力が期待された左腕・長谷部の故障離脱が痛かったですね。それに、開幕戦(対「ソフトバンク」)で逆転サヨナラ本塁打されたように、ストッパーの不在が心配。クライマックスシリーズ出場に向けて、野村監督が保有戦力でどうやりくりしていくか、注目されます。
◆バレンタイン監督の“動機付け”のうまさ
篠山(日経)
私も「ロッテ」。バレンタイン監督は、とにかく、やることが徹底していて、動機付けもうまい。オープン戦でも、オリックス戦で4盗塁させた。全部失敗でしたが、ナインへ、「走らせるぞ」のメッセージを具体的に送っている。先発も、清水直が6番手か、というくらい充実しています。優勝したシーズンのように、波にのってくれば、いってしまうのではないかなあ。
「日本ハム」は、ダルビッシュという絶対のエースがいるのは強い。今は一人のエースでどうこうなるという時代ではないが、大きな連敗はなさそう。おまけに、しぶい武田勝といった地味だけど、実務派投手がわきを固めるので、大崩れしないわけです。「ヤクルト」から移籍した藤井がいいときの状態に戻れば、ここまではしょうがない、と失点を計算しながら戦える強みがあると思います。
「ソフトバンク」については、微妙な変化が現れている。というのも、ミーティングなどでは、まず秋山コーチが話し、あとから王さんがひと言添えるパターンが多くなってきている。王監督も「次」を考えつつ采配しているのかな、と。「とにかく王監督の胴上げを」という気持ちが空回りしたのがこの2年だったと思いますが、その気持ちがよい方向に向かえば期待できそうです。
◆4番以降の打線に不安あり「日本ハム」
志方(朝日)
ボクも「ロッテ」だなあ、強さで注目するのは(笑)。投手力がすごい。成瀬、小林宏、渡辺俊、清水ら先発陣の充実度はリーグ随一で、小林雅、藤田、藪田の救援陣が抜けたのは痛いが、荻野や外国人で乗り切ることができれば、安定した戦い方ができると思いますよ。
ただ、ロッテ優勝と予想したお二人と同じになるので、優勝候補には「ソフトバンク」を押したい。今年は松中もよさそうだし。馬原、斉藤和、小久保らケガ人も多いのですが、そういう時こそチームはまとまるもの。日経の篠山さんは、王監督への思いがマイナスに働いていた、と分析していましたが、私は、そろそろこの王監督への思いが「力」になるのでは、と感じています。
連覇の「日本ハム」は、打線の面で3番まではいいが、4番以降が弱いように感じる。セギノールがいなくなった穴を埋められていませんよ。先発も、ダルビッシュ以外は今ひとつ不安が残ります。昨年もそういう戦力で優勝はしましたが、それも交流戦で貯金ができたからです。
それと「オリックス」。カブレラの加入は大きいですよ。デイビーや平野といった投手陣のけがは痛いのですが、開幕戦(対「西武」)で勝利投手になった金子ら若手がブレイクすれば、それなりに上位に進出してくるかもしれない。
――なるほど。パも上位3チームの強さは昨シーズンと変わらず、ということですか。皆さん、今シーズンの「おすすめ選手」「この選手に注目!」「今年の有望株」という人を紹介してくれませんか。篠山さんから。
◆岩瀬(中)、工藤(横)、中島(西)、田中(楽)
篠山(日経)
セでは、「中日」の岩瀬仁紀投手と「横浜」の工藤公康投手ですね。岩瀬は4年連続の40セーブ以上という“偉業”なるかが注目点。ここ数年の「中日王国」のキーマンですよ。昨年の日本シリーズで、ノーヒットの山井の後を受けて登板、ノーヒットに抑えた。そんな芸当ができる投手がほかにいるだろうか。かつては「抑え3年限界説」が有力だったが、トレーニング、調整技術が進歩した今は、抑えの寿命も延びていると言われます。岩瀬がいつまでいけるか、注目しています。
工藤は5月で45歳になります。米国メジャーにもロジャー・クレメンス、まあ、薬物疑惑がかかっていますがね、それからランディ・ジョンソン、カート・シリング、トム・グラビンら40歳以上の投手がいます。日本球界が誇る大ベテランが年齢の壁をどこまで崩すか、野球界のみならず、社会的な注目度も高いと思うのですよ。ちなみに、昨年は7勝6敗でした。
パでは「西武」中島裕之内野手と、「楽天」田中将大投手。中島は球界を代表する野手になることが期待されるホープです。2年連続打率3割。本塁打は高卒4年目の04年にマークした27本が最高ですが、一回一回のスイングに何かを起こしそうな夢があるんです。けれん味がなく、凡退してもスカッとさせる選手です。
田中は、抑えても野村監督がOKを出さない。「直球にエースの風格がない」などと、注文が厳しいんですね。田中もその辺は心得たもので、嫌がるわけでもなく、吸収すべきは吸収するという態度で「お爺ちゃん」の小言を聞いている。経験のすべてを伝授しようという職人とその孫、厳しさの中にもホームドラマのような味わいがあります。
――朝日の志方さんは?
◆荒木(中)、藤川(神)、中田(日)、ダル(日)
志方
セでは「中日」の荒木雅博内野手と、「阪神」の藤川球児投手です。荒木は、数字には表れないが守備と盗塁に着目します。盗塁数は60を超えてもらいたいですね。「ヤクルト」の宮本に、球界一うまい二塁手はだれ?と聞いたら、「荒木でしょう。日本代表で初めて一緒に練習したが、その守備範囲の広さに驚いた」と言っていました。
個人的には阪神ファンなので(笑)、藤川に頑張ってほしい。昨年が46セーブ。今年は、できることなら40セーブくらいで終えたい。そのくらいの負担の方が、いい球が投げられるし、結果的に「阪神」もいい位置にいけるのではないかな。
パでは、やっぱり「日本ハム」の中田翔内野手と、ダルビッシュ有投手。中田は開幕2軍だから、数字的にはきついだろうが、まず1本でいいから1軍でホームランを打ってほしいですね。ダルビッシュは、北京五輪で抜けますが、15勝と、防御率も今年も2点を切ってもらいたいものです。
――読売、小石川さん。
◆阿部(巨)、金本(神)、ダル(日)、田中(楽)
小石川
セは打者2人に注目しています。「巨人」の阿部慎之助捕手と、「阪神」の金本知憲外野手です。阿部は昨年の北京五輪アジア予選では、13打数10安打と驚異的な記録で打ちまくりました。知らない投手が出てきても、体がボールに反応してヒットにすることができる。潜在的な打撃センスが証明された大会でした。本人も何かつかんだはずです。これが今シーズン、どんな形で現れるか……。
金本は2000本安打まであと13本。400本塁打まであと6本。阪神の精神的な支柱で、プレーでチームを引っ張っていくことができます。金本と「阪神」が元気なら、セはもっともっと盛り上がると思います。
パは投手2人です。ダルビッシュと田中ですね。ダルビッシュの投げる試合は毎回、何かしらの大記録が誕生しそうで緊張感があるんです。日本代表エースとして、五輪でもどんな投球をしてくれるか、楽しみ。おそらく、野球少年たちが最もあこがれる存在だと思いますよ。田中は、投げるたびに成長するから、見ていて楽しい。一度失敗しても、次の投球ではちゃんと修正してくるところに、センスと負けん気の強さを感じます。常に上の目標を設定しているから、「2年目のジンクス」なんて、彼には関係ないと思います。
――みなさん、それぞれ戦力分析などを明かし合ってくださいましたので、いよいよ順位予想といきましょう。お手元のフリップボードに書き込んで、カメラに向かってこう、掲げてくれませんか。(サインペンを手に、「3人とも似たような予想じゃ、つまらんかなあ」「個人的見解を書くけれど、デスクになんか言われそう」「はずれたら、罰ゲームとか……」などの発言あり)
篠山(日経) セは(1)巨人、(2)中日、(3)阪神、(4)横浜、(5)ヤクルト、(6)広島です。パは(1)ロッテ、(2)日本ハム、(3)ソフトバンク、(4)オリックス、(5)楽天、(6)西武――です。パは予想が難しいのですが、「ロッテ」を優勝候補に挙げたのは「投打のバランス」です。
志方(朝日) セは(1)中日、(2)巨人、(3)阪神、(4)横浜、(5)ヤクルト、(6)広島で、パは(1)ソフトバンク、(2)ロッテ、(3)オリックス、(4)日本ハム、(5)西武、(6)楽天――。オリックスの3位は期待しすぎの感もありますが、ドーム球場での打線の爆発にかけてみたい。
小石川(読売)
セは(1)巨人、(2)中日、(3)阪神、(4)ヤクルト、(5)横浜、(6)広島で、パは(1)ロッテ、(2)日本ハム、(3)ソフトバンク、(4)西武、(5)楽天、(6)オリックス――。
セは主力選手が鮮烈を離れる北京五輪の期間の戦い方がポイントになると思うんですね。その点、グライシンガー、ラミレスらの補強で外国人選手層の厚くなった「巨人」が有利。パは「ロッテ」が本命ですが、「西武」も本来は力のあるチーム、渡辺久信・新監督の手腕は未知数ですが、昨年のように5位に低迷というのは、ないんじゃないかなあ。
――セは3人のうち2人が「巨人」、1人が「中日」と予想、パは2人が「ロッテ」、1人が「ソフトバンク」でした。さてどうなりますか。