白老町立国民健康保険病院の今後の運営について検討していた自治体病院等広域化・連携構想白老地区検討会議(座長・橋野茂胆振支庁副支庁長)は25日、白老町へ検討結果の報告書を提出した。報告では「診療所による運営が望ましい」と提言している。
同会議は、道や苫小牧市医師会、白老町の関係者ら15人で構成。道がまとめた広域化・連携構想の東胆振地域(日高町、平取町を含む)の検討に先駆け、モデル的に苫小牧市立病院や規模の適正化が必要な白老町立病院の課題などを整理、効率的な地域医療体制の構築を検討した。広域化・連携構想を受けて報告書がまとまったのは道内で初めて。
報告書によると、病床数や収支予測などを基に3つのシミュレーションを検討。経常収支では、5年目で約6900万円の赤字が出るものの、現状の92床を縮小した「診療所化(19床)による運営が望ましい」とまとめている。
また、診療所にした場合の現入院患者の処遇や救急体制の維持、医師の増員、町内医療機関・介護施設との連携、圏域内の中核病院との役割分担―などを検討課題に掲げている。
この日は橋野座長が「白老の財政事情も考え、効率的な医療体制を構築してほしい」と述べ、飴谷長蔵町長に報告書を手渡した。飴谷町長は「今後の町立病院の運営は、中核病院との機能分担を明確にし、地域医療の質を落とさないことだ。苫小牧との中核病院や町内の医療機関との信頼関係も欠かせない。担当部署と十分に検討して今後の方針を決めたい」と話していた。
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