今から十五年前ほどの前、アジア各国の軍部代表がマニラに集まった時のことだ。
例によってフィリピンと韓国の代表が、延々と戦争当時の日本軍と日本民族と現在
の日本企業を罵倒する演説を打った。列席のアジアの親日家たちは「韓国代表の演
説は痛烈無残で聞くに堪えなかった。
だが、列席の日本代表(自衛官)は一言も発しなかった。」と悔しがった。そこで、
インドネシアのアリ・ムルトポ准将は韓国の軍人に向かって次のように日本を擁護
した。(准将はアセアン結成の中心人物)
日本はアジアの光である。大東亜戦争は欧米人にアジア人の勇敢さを示したもので、
チンギス・ハーンとともにアジア人の誇りである。
ここで、インドネシアの日本民族の価値についての見方を申し上げる。
今、忽然として日本民族がこの地球上から消えたら、アジアとアフリカは非常に困る。
その時に韓国が一番困ると思う。韓国は工業大国日本と競争したから、立派な工業国
になれたのである。
もし、日本がシンガポールの地点にあったら、インドネシア人は少なくとも百万人が
日本に住み、日本人と同等の教育を受けるから、その人間関係から日本の技術、市場、
金融、スタッフ等活用することができる。
だから企業の成功は容易である。
つまり、日本の近いところに位置していることは、幸運なのだ。経済的支援を連続的
に受けていると言ってもよいくらいだ。インドネシアが日本に近ければ、今のような
貧弱なインドネシアではない。
つまり、我々インドネシア人は「日本はなにもしてくれなくてもよい」と考えている。
日本は欧米と肩を並べて進歩しているだけで十分、アジア・アフリカにつくしている、
と考えている。
だから、我々アジア人は外交面に弱い日本を支援したいと思っている。
日本から援助をもらうだけで応援しないのでは運命共同体とは言えないし、対等のパ
ートナーとも言えないのではないか。
名越二荒之助 「日韓2000年の真実」国際企画