現在位置:asahi.com>社会>その他・話題> 記事

過激?横尾忠則氏のポスター差し替え 美術教科書検定

2008年03月26日10時25分

 文部科学省が25日に公表した07年度教科書検定では、日本文教出版が「美術3(ローマ数字の3)」に収録しようとした横尾忠則さん(71)作製のポスターが「健全な情操の育成に必要な配慮を欠いている」と意見がつき、差し替えられた。文科省は「芸術的価値を否定するのではなく、高校生の教科書として配慮不十分との判断だ」と話すが、横尾さんは「表層的な判断で、芸術が何たるものか勉強していない」と憤る。

写真

「健全な情操の育成について必要な配慮を欠いている」と検定意見がついた、横尾忠則さん作製のポスター

 ポスターは1965年、故・土方巽氏らが主催した「暗黒舞踏派提携記念公演」用に作製された。ルーブル美術館所蔵の「ガブリエル・デストレとその姉妹」などをモチーフとした作品だが、文科省は左上に「私の娘展示即賣會場」の文字があることなどを理由に意見をつけた。

 「横尾さんのその後の作品の流れを決定づけた」と選んだ日本文教出版は検定意見に驚きながらも「ついた以上、やむを得ない」と判断。横尾さんの了解を得て、横尾さんの別のポスターに差し替えた。

 ■想像力の貧困さのあらわれ

 横尾さんの話 作品はアーティストにとってある種の子ども。「私の娘」はそういう趣旨で、舞踏を公演会場で売るという意味。それも読み取れないのは想像力の貧困さのあらわれだ。

この記事の関連情報をアサヒ・コム内から検索する

PR情報

この記事の関連情報

このページのトップに戻る