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サントリーミュージアム[天保山]

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開催中の展覧会

生誕125周年記念 マリー・ローランサン展

会期: 2008年3月8日(土)〜5月11日(日)
休館日: 毎週月曜日(3月31日、4月7日・28日、5月5日は開館)
開館時間: 10:30〜19:30(最終入場は19:00まで)
入場料
大人 1,100円
高・大学生、シニア 800円 ※シニアは60歳以上。
小・中学生 500円
マリー・ローランサン(1883ー1956年)は、ベルエポックのパリに育ち、ピカソを中心としたエコール・ド・パリの画家たちと交流しながら画家の道を歩みはじめます。当初はキュビスム的な傾向の作品を描いていましたが、次第に優美な女性たちが甘美な世界にまどろむ独自の作風を確立していきます。その女性の神秘性や普遍性が見事に捉えられた詩情あふれる画面は、男性の画家が到達しえない独自の境地であるといえるでしょう。また彼女の人生は、有名な詩「ミラボー橋」でうたわれた詩人アポリネールとの熱情的な恋をはじめ、ドイツ人貴族との結婚や亡命など、波乱に満ちた生涯でもありました。この展覧会は、ローランサン生誕125周年を記念し、彼女の作品を集めた世界で最も充実したコレクションとして知られるマリー・ローランサン美術館の所蔵作品から、油彩・水彩・版画等あわせて約90点の名品の数々を展示し、初期から晩年にいたる彼女の生涯を辿ります。

作品をクリックすると解説が表示されます。

  1.  《パブロ・ピカソ》1908年頃 油彩・板 41x32.9cm
  2. 《マリー・ド・メディシス》1926年 油彩・キャンバス 93x74cm
  3.  《らっぱをもって》1929年 油彩・キャンバス 65x54cm
  4.  《三人の乙女》1938年 油彩・キャンバス 33x55cm

©ADAGP, Paris & SPDA, Tokyo, 2008

《パブロ・ピカソ》
1908年頃 油彩・板 41cmx32.9cm

ローランサン23歳、ピカソ25歳頃の作品。新進気鋭の画家として当時話題を集めはじめていたピカソによって彼女はキュビスムを知り、前衛の画家として進む自信と基盤を得る。彼女は結局、完全にキュビスム的な作品を描くことはなかったものの、この作品に見られるように、古代エジプトの壁画を思わす対称を真横から捉える構図など、ピカソに多大な影響を与えた非西洋の芸術の面影が明らかに見て取れる。

《マリー・ド・メディシス》
1926年 油彩・キャンバス 93cmx74cm

マリー・ド・メディシスは、1600年にイタリアのメディチ家からフランス王アンリ4世に嫁ぎ、波乱の生涯を送った。現在、ルーブル美術館にあるルーベンスによる彼女の生涯を描いた巨大な連作は特に有名である。ローランサンの作品には、現実的な感覚から遊離したようなものが多く、神話や歴史の物語を好んで題材に取り上げた。ここでも単純化された色彩と形態によって、現実と幻想の境目がぼやけ、画面は抽象的とも具象的とも思われる不思議な効果を見せている。

《らっぱをもって》
1929年 油彩・キャンバス 65cmx54cm

愛の遍歴を重ねたローランサンは生涯子供を生むことはなかったが、子供を描いた絵を多く残している。彼女の伝記を書いたフロラ・グルーは子供のころ幾度なくモデルとなり、彼女によれば絵を描くローランサンは、時間を越えて回想にひたりながら歌うように制作にあたったという。エキセントリックな面も持ち合わせていた彼女は、子供の心を持ち続けた大人であり、それが母がわが子を見る目線とは少し異なる、少女の美しさを際立たるような作品を生み出したのだろう。砂糖菓子のような繊細さと美しさをもつこの作品は、この時期のローランサン作品の中で最も充実したものとして知られる。

《三人の乙女》
1938年 油彩・キャンバス 33cmx55cm

この作品は、ローマ神話に出てくる「三美神」を想起させる。「美」の象徴である三人の女性を扱うこの主題は、ボッティチェリをはじめ多くの画家がとりあげており、乙女たちの幻想的な存在を表現するものとしてローランサンにうってつけの題材であったといえるだろう。人物を描くには異例の横に長い画面を使い、なだらかな弧を描くように配置された独特の構図の中で顔のみに焦点を当てたこの作品は、官能と崇高さが入り混じる彼女たちの神々しい面立ちを強調することを意図したものであろう。

展覧会の見どころ

担当学芸員の大島賛都
 詩情あふれる幻想的な画面に、優美な女性たちを描くマリー・ローランサンの作品は、私たち日本人の心と深い部分で通じ合うものがあります。うつろいゆく自然に美を見いだす日本人の美意識は、まさにローランサンの気品あふれる色の使い方や繊細な描写の背後にある彼女の美意識とかなり近いもののように思えます。特に、色彩の画家ともいわれる彼女の色使いは、実にすばらしく、あえて色の数を限定し、それらの色に微細な階調の変化をつけながら表現していく彼女の絵画は、フランス的なエスプリが漂う、軽妙かつ芳醇な、色彩による絶妙なアンサンブルと呼ぶにふさわしいでしょう。
 本展では、初期から晩年にかけての約90点の作品を、ほぼ年代順に展示しており、ローランサンの作風の時代ごとの変化がよくわかる構成となっています。ローランサンは、はじめ、ピカソなどの影響のもとにキュビスム的な作品を手がけますが、それらが、辛い亡命時代などを経て、1920年代にローランサン独自の作風へと変化していきます。そうした作品の移り変わりをたどりながら本展をご覧いただくのも、また面白いのではないでしょうか。
展覧会場の様子
入口にあるマリー・ローランサンのサイン。ピンクの字が目立ちます 。
バレエ公演の緞帳のデザインや版画、ポスターなども制作したローランサン。
左は当館所蔵のバレエ「ソワレ・ド・パリ」のポスター。
スペインで亡命生活を送っていた時に描かれた作品。「チェロと二人の姉妹」は、優美さの中に憂いが交じり、つらい経験が絵に表れています。
ローランサンの作風が確立した時期の作品。
描かれた人物から気品や優美さが感じ取れます。
晩年期の作品。真ん中の「三人の若い女」は制作に10年もかけた大作です。
マリー・ローランサン美術館学芸員の三田良美さん(左)と、当館学芸委員の大島賛都(右)。開催1日前の記者説明会で作品の解説を行いました。

「マリー・ローランサン展」開催記念講演会

■日時: 3月30日(日) 14:00〜15:30
■会場: ギャラリー内
■講師: 結城 昌子氏(アートエッセイスト、絵本作家)
■定員: 70名(聴講無料・申込不要・先着順)
「マリー・ローランサン展」関連キッズ・ワークショップ
I. 「自由なかたち 紙版画」
■日時: 3月23日(日) 13:30〜(約2時間)
■講師: 上村 亮太氏(美術家)
■参加費: 一人 500円
■定員: 25名(小学生対象)
※応募は締切りました。沢山のご応募ありがとうございました。
II.「色のパズル、さて君のこたえは?」
■日時: 4月27日(日) 13:30〜(約2時間)
■講師: 呉 夏枝氏(美術家)
■参加費: 一人 500円
■定員: 25名(小学生対象)
ギャラリーツアー
3月23日(日)、4月27日(日) 各日とも16:00〜17:00で実施。
当館学芸員が、ギャラリーにて展示作品の解説を行います。
(聴講無料・申込不要、定員40名。但し、展覧会入場券が必要です)
見どころトーク
5階ギャラリー入り口前のレクチャールームにて、トークスタッフがスライドを使って、展覧会の見どころを説明します。
(所要時間約10分、無料、定員40名)
実施時間:11:00/12:00/13:00/14:00/15:00/16:00/17:00(会期中毎日、1日7回)
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