6回に松井はライトに鮮やかなヒット。本塁打は出ないが打率は4割を超えた(原田史郎撮影、クリックで拡大) |
【タンパ=米沢秀明】ヤンキース、松井秀喜外野手は24日、フィリーズ戦に代打でDH出場し、1打数1安打1四球1打点で6試合連続安打を記録した。待望の1発は出なかったもののオープン戦打率は青天井で.414にまで上昇。右膝故障からのゴジラの大逆襲は力より技で支えられている。
5回から5番DHジアンビの代打として打席に立った松井。3対3の同点で迎えた無死一、三塁の好機から、相手2番手ダービンの低めボールをうまくすくいあげて勝ち越しの中犠飛を打ち上げた。
さらに6回無死一塁からは泳ぎながらの巧打。左腕ドレンスバーグの投じた甘いカーブをライナーで右前へ運んだ。ヤンキース打線は松井の打席をきっかけに5回に6点、6回に4点を挙げる猛攻で試合を決めた。
松井は「ゆとりを持って打席に入ることができた。安打は少しタイミングが早かったが問題ない。開幕に向けて、もうある程度は対応できる状態になっていると思う」と話した。
この日も打球は低いライナーとなり、今季オープン戦ではまだ本塁打はないまま。逆に打率は上がる一方という複雑な開幕直前を迎えている。
「出るといいね」と松井。過去本塁打のないオープン戦はなかっただけに、やや気になる素振りもあるが、現段階では打撃スタイルを大きく変える気はないようだ。
右膝故障のため初のレギュラー争いを繰り広げることになった今季、ゴジラの大逆襲も大詰めを迎えている。松井の好調とは対照的に、正左翼手デーモン外野手=写真左、AP=が流感で数日間の休養をとることになった。
ジラルディ監督は、「ジョニー(デーモン)はちょっとすぐには無理だな。明日もプレーできないな。やるとしてもマイナーの練習場で軽くやる程度かな。数日は休むしかない」と正左翼手の体調不良に暗い顔。まるで松井の復活がライバル選手たちにプレッシャーを与えているかのようだ。
もちろん、その一方で元気なライバルたちもいる。ダンカン外野手はこの日もハッスルプレーを連発。4打数3安打の大活躍で打率は.400。DHジアンビも本塁打を含む2安打を放っている。逆襲の手を緩めることは許されない開幕1週間前となっている。
また、来年開催予定のワールドベースボールクラシックへの参加については、「白紙です」と答えている。
ZAKZAK 2008/03/25