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【愛知】

民主、佐藤氏処分の声強まる 「政調費」で会派決定に従わず

2008年3月26日

 県議会で可決された政務調査費の三万円以上の使途公開と費用弁償を減額する条例改正案の採決時に退席した民主党の佐藤夕子氏(名古屋市東区選出)について同党県議団は二十五日、「(条例案に賛成した)会派の決定に従わなかった」として四月二日に規律委員会を開き、退席が処分に値するかどうかを諮問することを決めた。同委員会に具体的な案件が諮られるのは初めて。県議団では「除名を含めて処分を考えるべきだ」との声が強まっている一方、政調費の全面公開を訴える佐藤氏を除名すれば「改革に後ろ向きとみられる」と心配する声もあり、対応に注目が集まっている。(山本真嗣)

 昨年四月の県議選で政調費の使途の全面公開と費用弁償の廃止を公約に掲げて自民現職を破った佐藤氏は、条例改正案に「賛成できない」として採決時の党議拘束解除を申請。認められなかったため、二十四日の採決では退席。三月末をめどに、本年度分の政調費を独自に全面公開する意向を示している。

 同県議団の会則によると、団員が会派の目的に反する言動をした場合に、総会の三分の二以上の同意で除名や退会勧告などができる。規律委員会は団員の言動が会派の目的に反しているかどうかを判断する場で、昨年六月、佐藤氏が費用弁償を受け取らなかった場合に備えて設置された。

 佐藤氏の退席について、県議団の中堅県議は「退席が(佐藤氏が主張する)『条例案への反対には当たらない』ということはだれも認めていない。(佐藤氏の)これまでの言動から反対したのは明らか」と指摘。あるベテラン県議も「まずは『三万円以上』で合意した。すぐに全面公開したいというなら、団を出て一人でやってもらうしかない」と話す。

 一方、別のベテラン県議は「三重県で四月から全面公開を決めたのに、愛知の民主が全面公開した県議を除名にしたら県民の目にはどう映るのか」と処分には慎重な姿勢。ある県議は「政治家として公約を守ろうとしたぎりぎりの判断だったのだろう」と理解を示す。

 佐藤氏は中日新聞の取材に「党議拘束が解除されなかったことを受け止め、議場での反対はせずに退席した。団員としての最低限のルールは守ったと考えているので、除名になるとは思っていない」との認識を示し、「規律委員会では自分の思いを伝えたい」と話している。 

 

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