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「桜の三大名所」奈良・吉野山、花見客の高齢化で転落死相次ぐ (1/2ページ)

2008.3.25 22:35
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朝日に映える千本桜(奈良県吉野町提供)朝日に映える千本桜(奈良県吉野町提供)

 「桜の三大名所」の一つとして知られる世界遺産、吉野山(奈良県吉野町)で近年、高齢の花見客の転落死や急病が相次いでいることが分かった。全国から格安バスツアーで入山し長時間歩いて観桜するため、身体的な負担が高まっていることが背景にあるとみられる。事態を重くみた地元は車いすを増やしたり今年初めてAED(自動体外式除細動器)を配備するなど、花見シーズンを控え対策に追われている。

 吉野山の桜は約3万本。山すそから順に「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」と続き、いずれも一目で1000本が見えることから「一目千本」と称されてきた。

 人口9300人の吉野町に訪れる花見客は例年30万人。関係者によれば、このうち7割は高齢者だといい、近年は格安代金による日帰りバスツアーが主流になっているという。

 ツアーの中には東京を深夜に出発して早朝に吉野へ着く「弾丸ツアー」も。下千本の駐車場で弁当を手渡され、上千本まで山道を1時間以上歩いた上、弁当を食べる余裕もなく午前11時には東京へとバスに乗り込んで去っていくという。

 また、吉野の桜は山桜のため、花見は都市部で行われているようなシートを敷いて酒や料理を楽しむスタイルでなく、山道を歩きながら急斜面に咲く桜を見渡すことになる。

 こうした中、2005年の花見シーズンには高齢の花見客3人ががけから転落するなどして急死。06年は同様に2人が死亡した。07年は死者は出なかったものの、急病人が増えたという。吉野広域行政組合消防本部によると、吉野山での救急搬送は例年4月、各十数件あり「その多くが花見客」(消防本部)としている。

 地元では今年から、これまで2台しかなかった車いすを5台に増やしたほか、初めてAED4台を購入した。

このニュースの写真

朝日に映える千本桜(奈良県吉野町提供)
地蔵トンネル=奈良県黒滝村
滝桜
桜の遠望
枝垂れ桜
白タクで検挙され、今は廃墟となった民宿=奈良県黒滝村
かつて高齢の花見客が転落死した現場。あまりの急斜面は落ちるとひとたまりもない=奈良県吉野町
高齢の花見客に転落防止を呼びかける張り紙=奈良県吉野町
上千本へと至る道。シーズンには花見客で身動きがとれなくなるという=奈良県吉野町
五郎兵衛からみる中千本
中千本から上千本にかけて
下千本
花矢倉からの桜の遠望
奈良県のヘソ・黒滝村に出現した天守閣「こもれびホール」
高齢の花見客に転落防止を呼びかける張り紙=奈良県吉野町
高齢の花見客に転落防止を呼びかける張り紙=奈良県吉野町
高齢の花見客に転落防止を呼びかける張り紙=奈良県吉野町
かつて高齢の花見客が転落死した現場。あまりの急斜面は落ちるとひとたまりもない=奈良県吉野町
世界に誇る吉野山のさくら=奈良県吉野町
高齢の花見客に転落防止を呼びかける張り紙=奈良県吉野町
高齢の花見客に転落防止を呼びかける張り紙=奈良県吉野町
高齢の花見客に転落防止を呼びかける張り紙=奈良県吉野町
吉野町の観光案内図。花見も命がけの時代に
上千本遠望
上千本を望む
下千本
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