卒業式などでの「君が代」斉唱時の不起立を理由に都教育委員会から繰り返して懲戒処分を受けている都立南大沢学園養護学校(八王子市)の根津公子教諭(57)は、24日に行われた同校の卒業式でも起立しなかった。根津教諭は昨年3月の卒業式の不起立で停職6カ月となり、免職の事態が危ぶまれている。都教委は28日の定例会で処分の是非を検討するとみられる。
同校では、朝から支援者ら約100人が雨の中で「根津先生をやめさせないで」などと訴えた。敷地内では都教委の腕章を付けた職員約20人が周辺を見張り、ものものしい雰囲気だったが、大きなトラブルはなく卒業式は終了した。
その後、根津教諭らは都庁で記者会見した。根津教諭は「『起立は当たり前』という雰囲気が広がっているが、戦前のぶり返しのようで危機感がある。自分や子どもたちにうそはつけない」と語り、免職処分をしないよう呼びかけた。【木村健二、伊藤直孝】
〔都内版〕
毎日新聞 2008年3月25日 地方版