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ウィキから初引用 生物と英語で2重基準も…教科書検定 (1/2ページ)
ウィキペディアを引用した教科書が初登場、同じ記述でも生物は○で英語は×の“2重基準”も−。文部科学省が25日に公表した高校生用教科書の検定結果で、こんな事実が明らかになった。
増進堂の「英語・リーディング」に、インターネット上の百科事典「ウィキペディア」から引用した死刑制度の各国事情を表した世界地図が掲載された。文部科学省は「過去にウィキペディアから引用した例は確認できなかった」としており、資料としての利用は初めてとみられる。
ただ、インド・中国など紛争が起きている国境線が「不正確」との検定意見が付き、実線から破線に修正された。引用自体に意見を付けなかったことについて、文科省は「地図は補助的に掲載されたもので、資料そのものを学習するものではないことが前提」と説明。引用の“全面解禁”には留保をつけた格好だ。
増進堂では「執筆者の意向を受けて本文に合う地図を編集部が探したところ、適当なものがウィキペディア上にあった。(死刑制度に詳しい)アムネスティの情報と照合、確認して掲載した」としている。
出版物などから図版を引用した場合、修正には版権所有者の了解が必要だが、同社は「ウィキペディアには版権はないものとみなし、了解は得ていない」と述べた。
だれもが編集に参加できるウィキペディアは最新情報が豊富な半面、正確性については「一切保証できない」とされている。