『エルフィン・ローズ ~囚われの三皇女~』「渡る世間は調教ばかりver.」
2008年2月24日に投稿したこの記事。
エロ画像を無断掲載していたのですが、エキサイトブログさんから「エロ画像はダメ」と警告がきました。エロ画像を消すだけではダメらしく、新規で投稿し直さないといけないらしいので、エロ画像だけ省いて、画像に関する部分の文章をちょっとだけ変えて投稿し直しました。
以前載せた文は削除したので、以前の記事にコメントしてくださっていたZEROさんのコメントも消してしまっています。
ZEROさんのコメントは私が勝手に新しいほうの記事にコメントし直しています。ZEROさんがこのコメントを投稿された本来の時刻は2008年2月24日8:10です。
ZEROさん、断りもなく勝手にコメントつけなおしていてすみませんです。

それと、もう全く記事投稿しなくなっているのに、拍手押してくださっている方、ありがとうございます。






『エルフィン・ローズ ~囚われの三皇女~』
追加ディスク「渡る世間は調教ばかりver.」
BLUEGALE(ブルーゲイル)





18禁PCゲーム『エルフィン・ローズ ~囚われの三皇女~』。
これを買って、付属のハガキを送ると、全員サービスで、入れ替わりシナリオの入った追加ディスク「渡る世間は調教ばかりver.」がメーカーから送られてきます。

ただし、この追加ディスクの入れ替わりシナリオをプレイするには、ゲーム本編をクリアしておく必要があります。
私は不精して、ネット上にあったエルフィン・ローズの完全クリアデータを使わせてもらって、入れ替わりシナリオをプレイしてみました。





この先、画像つきネタバレあり!
# by irekawari | 2008-03-07 01:20 | 入れ替わり作品の紹介・レビュー | Trackback | Comments(3)
WEB拍手メッセージのレス
WEB拍手メッセージのレス。
10日間近くお返事していないままですみませんでした。
拍手押してくださった方、コメント書いてくださった方、ありがとうございました!



2月13日
15:59
>東方もいいけど憑依もね
「~もいいけど~もね」というのはなにかの標語っぽいなと思いました。
憑依だけでなく入れ替わりもどんどん書いていきたいところなのですが、まだやる気が回復してきません・・・

うーん、自分はこんなに言い訳ばかりする人間だったかな・・・
うん、ずっと前からそんな人間だった気がする(汗)。




23:07
>hijiです。エルフィンローズは自分好みでしたが世間一般では評価低いんですね・・・
>もし興味あればセーブデータをupしますがどうですか?
>後、PCの不調はつらいですね。自分は機械に弱いのでそういう状況だとストレスたまりそうです。

hijiさんこんばんは!
すみません、私ひとりで勝手に世間一般の評価とか決めつけてしまっていましたが、私はネット上でお一人かお二人ぐらいのプレイ体験記しか見ていませんでした。すごく狭い範囲しかものを知らないのに、いろいろ偉そうなこと言ってしまいました。申し訳ありません。

セーブデータのお申し出、ありがとうございます!hijiさんのお気遣いに感謝です。しかし、そこまでお手を煩わせるわけにはいきません(汗)。調べてみると、ネット上で完全クリア後のセーブデータがあったので、それを使わせていただいて、入れ替わりシナリオ見てみました。
実際にやってみると、手放しで最高!と絶賛できるほどではないですが、声ありというのと、程よいボリューム、テンポの良さがいいなと思いました。詳しいレビューも書いてみたいと思います。

不調については、不満を言う前に自分でいろいろ方法を模索してみるべきなのでしょうけど、いかんせん向上心のない自分なので、もうなんだかかなりあきらめてしまっています(汗)。
# by irekawari | 2008-02-24 01:13 | web拍手お返事 | Trackback | Comments(0)
WEB拍手コメントレスとお知らせ。しばらく休むかもです。
WEB拍手コメントレス。
拍手押してくださった方、拍手押してくださった上にコメント書いてくださった方、ありがとうございます~!



2月11日
21:55
>生まれたての赤ちゃんと母親が入れ替わってしまったら、母親になった赤ちゃんは会話できるでしょうかね?
私個人の考えとしては、会話できないと思います~
私は入れ替わった後の各種能力は、基本的に「中身」ではなく「身体」のほうに依存される、と思っているので。
発声器官がまだちゃんと発達していなくて、まともに言葉をしゃべったことのない赤ちゃんの身体だと、いくら中身が言葉をちゃんとしゃべることができる母親だとしても、やっぱりまともに会話することはできないんじゃないかな、と思ってしまったり。



2月10日
22:32
>hijiです。ヴァンパイヤの続きが見れて喜んでます。
>話は変わりますがエルフィンローズをやりましたがなかなかです。確かお持ちのはずですがやられましたか?

hijiさんこんばんは!
続き・・・はとりあえず書いたものの、あんなノートの切れ端に殴り書きしたような超短文ですみませんです(汗)。
エルフィンローズは、ゲーム本編をクリアしてからでないと入れ替わりシナリオが入っているファンディスクをプレイすることができないと分かった瞬間、プレイするのをやめました(汗)。ゲーム総プレイ時間は1分あるかないか、ぐらいのような気がします。
エルフィンローズは、入れ替わりものとしてはいい評判を聞いたことがないのですが、なかなかですか~。「あれはいいものだ!」と聞かされると、やっぱりチャレンジしてみるべきかも?と思ってしまいます。







もう1ヶ月ぐらい前の話なのですが、2008年1月15日ごろ、このブログのコメント欄に書き込もうとすると「このブログはコメント禁止です」というエラーメッセージが出て、書き込みができないという現象が起こっていました。
これについては、このブログそのもののトラブルだったようです。エキサイトブログの運営のところで、そういうトラブルがあったことの報告がありました。
このトラブルは次の日ぐらいにはもう直っていたのですが、もうコメント書き込みができる状態になっていることを、私、お知らせしていませんでした。1ヶ月も経ってから言うことじゃないのですが・・・(汗)、お知らせしていなくてすみませんでした。





あともうひとつ、お知らせしていなかったことがあります。
私、こことは別に『男と女の身体が入れ替わるコスプレ写真館』でも入れ替わり小説を書いていたのですが、そこのブログは2008年1月2日をもって更新を停止しました。
なぜ更新を停止したかというと、私、一度にいろんなことができないタチなので、2つもかけもちするのは無理かなーとちょっと思いはじめて、それで1つに絞ることにしました。
こっちを続きもの用、向こうを単発&短文用、という風に用途を分けて使っていこうかな、とも思いましたが、自分、書くの遅いんだし、たくさん書けないのなら分けても意味ないかなーと思い、結局向こうはやめることにしました。
向こうのブログもわりと見ていただけていたみたいで、それなのに予告もなく突然やめてしまってすみませんです(汗)。
見てくださっていた方々には感謝しています~。




もう1つお知らせ。
しばらく休むかもしれません(汗)。
2007年11月と12月ぐらいに東方Project作品にかなりハマっていた時期があって、今でもかなりそれを引きずっている状態です。入れ替わりものを書きたいという意欲もだいぶ戻ってきていたのですが、まだちょっとやる気が足りていないかも・・・。

あと、私、自分のPCで自分のブログの閲覧・投稿ができません(汗)。
自分のPCでこのエキサイトブログの自分のブログを見ようとすると、画面が真っ白です。「設定」や「投稿」のボタンも表示されないので、閲覧もできなければ投稿もできない状態です。
しかし、自分のPC以外、たとえば仕事先のPCや、ネットカフェのPCからだと普通に閲覧も投稿もできます。
なので、これは別にエキサイトブログ自体のトラブルではなく、私のPCそのものが悪い・・・のだと思います。

自分のPCでこのブログにアクセスしたとき、普通に閲覧もできて投稿もできるときもあります。
100%表示されない!ならまだ分かるのですが、時間によっては表示できるときもあるので、そのへんがよく分かりません。元通り直るようにいろいろやってみたのですが、結局直っていません。

2008年1月以降に投稿した分は、ほとんど自分のPC以外のPCから投稿しています。しかし、そうなるとなにか投稿したいと思ってもいちいち外に出て行かなければならず、相当面倒です。コメントを返したいと思っても、自分のPCからだとそのコメントすら見ることができません。

ブログの閲覧・投稿という、ブログを使うにあたって超がつくほど基本的な作業ができない、というのは相当不便、かつストレスたまります(汗)。
軽いしシンプルで使いやすいから今までエキサイトブログを使っていたのですが、ここをまたやめて他所に移転したいです。
しかし、コロコロまた移転、移転を繰り返すというのもなんだかなあ・・・という気もするしで、まだはっきり決められない状態です。
# by irekawari | 2008-02-13 00:49 | web拍手お返事 | Trackback | Comments(0)
ヴァンパイアVS極上パロディウス 第2回
地面に降り立ったモリガンは、地面に体を半分めり込ませて倒れている巨大パンダを見上げた。
モリガン「それにしても何だったのかしら、こいつ。明らかに普通のパンダじゃないし。まいっか、少しはスッキリできたし。暇つぶしに、また人間界にでも行ってこようかしら」
巨大パンダにすっかり興味を無くしたモリガンが、背中の翼を広げて飛び立とうとした、そのとき。
モリガン「なに、あれ」
モリガンは巨大パンダの頭部になにか小さいものが生えているのをみつけた。
モリガン「そういえば戦っている最中も、こいつの頭になにか生えてるな、とは思っていたのよね。なにかしら、あれ」
モリガンが、倒れて白目を向いて完全に生命活動を停止したであろう巨大パンダの頭部を見上げると、頭のてっぺんに、ピンク色の細長い筒みたいなものが生えているのが確認できた。
モリガン「なにあれ、たんこぶ?・・・にしては変な形よね」
モリガンは翼をはためかせ、軽く小ジャンプをして、巨大パンダの頭の頂点付近で空中で器用に静止した。

モリガン「うげっ、なにこれ、気持ち悪い」
パンダの頭から生えているピンク色のものを見て、モリガンは口元を手でおさえ、思わず顔をしかめた。
そのピンク色の物体は全長40センチほど、太さは15センチぐらいで、細長い棒のような形状をしている。さらにその先端は丸まっていて、つくしの先端みたいになっている。巨大パンダの頭部と比べると、まるで豆粒ぐらいの大きさしかない。
そしてその棒みたいなものにはなんと目と口がついていた。目は真ん丸で、目は一応開いているが焦点が合っていないのか、どこを見ているのかすら分からない。口はむちゃくちゃ分厚いタラコ唇になっていて、中途半端にダランと開いている。
モリガン「あー、気持ち悪い。変なもの見ちゃったわ。こんな生物、魔界でも人間界でも見たことないわね、新種かしら」
モリガンは相当長く生きているので、いろんな生物を見てきているが、このピンク色の物体は初めて見るらしい。
モリガン「気持ち悪いから、消し炭にしちゃおっと。ソウル・・・」
モリガンは実力行使で、この変な生き物を文字通り目の前から消してしまおうとした。
ソウルフィストの構えをとるモリガン。その拳が光に覆われていく、そのとき。
ピンク色の物体はカサカサに乾燥した後、ボロボロになって崩れ落ちてしまった。
モリガン「あ、あら?」
自分が攻撃しようとしていた対象が無くなってしまったモリガンはソウルフィストを撃つのをやめ、ボロボロに崩れた残骸が残る地面のそばに着地した。
モリガン「なによ、今から私が消し炭にしてあげようと思ったのに。自分から勝手にボロボロになって崩れるなんて、よく分からないけど寿命だったのかしら。まいっか、こんな変なのに私が手を下すのもなんかいやだわ」
# by irekawari | 2008-02-09 23:50 | 男と女の入れ替わり小説 | Trackback | Comments(5)
web拍手コメントレス
WEB拍手コメントレス。
拍手押してくださった方、コメント書いてくださった方、ありがとうございました。



2月7日
>DBZのアニメで蛙ギニューとブルマの入れ替わりがありました。ずっとそのままでいればギニューは幸せだった
私は本放送時に1回見たっきりですが、あれはいい話でした!ギニューがブルマと入れ替わった後、自分の身体を確認するときに胸をつかんでさすっているようなシーンがありました、あそこが特に良かったです。
ギニューは「強さ」にしか興味ないみたいなので、ブルマと入れ替わった後すぐに今度はピッコロと入れ替わろうとしていましたが、たしかに私たちのような「異性と入れ替わりたい!」と願っているような者からしてみれば、「ブルマのままでいればいいのに・・・」と思ってしまいますね。


>毎日見てます更新ガンバってください
ありがとうございます!そう言っていただけると、これからも毎日投稿を続けよう!という意欲が沸いてきます。
・・・昨日は投稿できませんでしたが(汗)。




2月6日
>ひょんな事で女子大生と三歳くらいの男の子が入れ替わってしまう話が見てみたいです。女子大生の体になった
>男の子が部屋にいたら彼氏が来て、無理やりヤられちゃう。女性の、そしてHの気持ち良さに目覚める男の子。
>男の子になった女子大生が「私の体を返して!」と泣きつくが、「いやだ!この体気持ち良いんだもん」と言い
> 、いきなり元の持ち主の前で一人Hを始める…
>美人の女騎士が後輩の女騎士に入れ替えられ自分の身体にコキ扱われる話しを是非。

「~だもん」って言っている男の子の言動が可愛いです。


>体や魂がいれかわるとは違いますが、心がいれかわるのもおもしろそうです。例えば、男女の心が入れ替わった
>男が女言葉で、女が男言葉で話し出したり。また、犬と女性の心が入れ替わったら女性はまるで昔からしていた
>男が女言葉で、女が男言葉で話し出したり。また、犬と女性の心が入れ替わったら女性はまるで昔からしていた
>かのように犬のような行動をしだす。しかも好みまで入れ替わり、女性は犬にドキドキしだす…とか。

「身体が入れ替わる」
「魂が入れ替わる」
「心が入れ替わる」

これらは表現の仕方が少し違うだけで、どれも同じ「入れ替わり」という現象を指していると思います~




2月5日
>予期せぬ乗っ取りっていいですよね。かわいがられていたペットが守護霊に。しかし誤って飼い主に憑依、体を
>乗っ取ってしまう。抜け出す方法を知らないので、一生そのまま…とか
>姉に憑依して弟と近親相姦しちゃうような背徳的な作品つくってください

予期せぬ乗っ取り、故意による乗っ取り、どちらも好きです。
# by irekawari | 2008-02-08 22:15 | web拍手お返事 | Trackback | Comments(0)
入れ替わりの種 ~女子高生親友同士の入れ替わり~
湯浅弓美(ゆあさ ゆみみ)(16歳)至って普通の女子高生。母・典子の趣味には辟易としている。
湯浅典子(ゆあさ のりこ)(40歳)娘の弓美に可愛い格好をさせることが生きがい。
湯浅天荒(ゆあさ てんこう)(42歳)世界中を冒険している冒険家。いつも家にいない。旅先で変なものをみつけては、実家に送っている。

篠原怜(しのはら れい)(16歳)弓美の親友。ボーイッシュな外見、性格をしているため同性から人気が高い。








弓美と怜は同じ学校に通う女子高生。
元気いっぱい、活発系の弓美といつも冷静でボーイッシュな性格の怜は良いコンビだった。

弓美の母は娘の弓美に可愛い格好をさせることに日々力を注いでいた。
弓美も幼い頃は母の趣味に素直に従っていたが、成長するにつれて母趣味についていけなくなり、徹底的に反抗するようになる。
母の典子は娘に可愛い格好をさせることができず、残念な思いをしていた。

ある日、世界中を冒険している弓美の父から貴重かつ栄養があるという種が2粒送られてくる。
典子は弓美と怜に特に種についてくわしい説明をせず、料理に混ぜて二人に食べさせてしまう。
なんとその種は世にも珍しい「入れ替わりの種」だった。
この種を食べてしまった弓美と怜はお互いの身体が入れ替わってしまった。

お互いの身体が入れ替わってしまい、二人は相当いやがるかと思いきや・・・
怜の身体になった弓美のほうはこの上なく喜んだ。
これで母の変な趣味から開放される、と。

弓美の身体になった怜も、見知らぬ他人ならともなく親友の弓美と入れ替わったのなら特に問題はないと判断し、冷静に入れ替わりの事実を受け入れていた。
とりあえず入れ替わりの種はある分全部食べてしまったので当分元に戻れない。
弓美、典子、怜、怜の両親と、お互いの家族ぐるみで話し合った結果、当分は入れ替わった状態で生活することになった。もちろん、家族の者以外には入れ替わりの事実は秘密にしている。

いつまでも入れ替わったままでいるわけにもいかないので、弓美はとりあえず父親に、また「入れ替わりの種」を探すよう手紙を送った。が、いかんせん放浪癖のある父である。きちんと手紙が届くかどうかはかなり怪しい。


こうして、弓美と怜の入れ替わり生活は始まったのだった。






典子「いや~ん、可愛い、可愛いわ弓美ちゃん!」

体の正面にエプロンをつけた、いかにも主婦といった格好の典子が片手にビデオカメラを持ち、もう片方の手で自分の頬をさわって体をくねくねさせ、イヤンイヤンをしながら一人悶えている。

弓美「お、おばさん。私は怜です」

一方、弓美は胸元と背中が大胆に開いた、ピンクのドレスを着ていた。ドレスのスカート部は幾重にも重なっていて、さらにその下に白のドロワーズ、そのまた下に黒のドロワーズを重ねて履いている。胸には黒のブラ、腕には二の腕までの黒の長手袋、足には太ももまであるガーター付きの黒タイツと、ドレス以外は黒で統一している。
そして弓美の頭には自分の拳より大きいぐらいのネコ耳が2つ、ピョコンと生えるようにしてついている。そしてお尻のちょっと上、ドレスのスカートの付け根のあたりから1本の太めのネコしっぽがついている。もちろんネコ耳もネコしっぽも本物ではなく、作り物である。
今の弓美の格好を一言で表すと、「ドレスを着たネコ耳少女」になるだろう。

典子「あら、そうだったわね、怜ちゃん。でもでも、もう呼び方も身体のほうで統一しようって、みんなで集まったときに決めたじゃない。だから、今は怜ちゃんが弓美ちゃんね」
弓美「そ・・・そうでしたね」
典子「あとあと、おばさんのことはママ!って呼んでくれると嬉しいなぁ♪」
弓美「え・・・と、ま・・・ママ?」
典子「いや~~~ん!!ラブリー!ラブリーだわ弓美ちゃん!!ママなんて呼んでくれるの、小学校何年生のとき以来かしら!!あー、いけないわ、いまの録画するの忘れちゃってたわ!ごめんね弓美ちゃん、さっきのように、こう振り返りながら『ママ』って呼んでくれないかしら~!」
弓美「わ・・・分かりました・・・」
弓美の額から冷や汗が一粒、タラリと垂れ落ちた。

弓美はいったん典子に背を向け、スカートがふわりと浮き上がるほどの勢いをつけて、典子のほうに向かってクルリと半回転しながら
弓美「ま・・・ママ」
と言ってみせた。そのときの表情は、やや口元がひきつっていた気がする。

典子「いやーーーーーーーっっ!!かわいーーーーーーーーーい!!弓美ちゃん最高よ!!ネコ耳ネコしっぽも似合ってるわ!!ああもうこの映像は永久保存版ね!!保存用、観賞用、普及用としてDVD3枚焼いておかなきゃね!」

普及用ってなんだ。
今の映像を誰か他人に見せる気なのだろうか、おばさんは。
弓美の中の怜はそう思った。



弓美と怜が入れ替わってから数日。
怜は、長年つきあいで弓美の家族のこともよく知っているのでいまさら遠慮などしあう仲ではないのだが、基本的に性格が真面目な怜は「よその家にお世話になるのだから、できるかぎりなんでも手伝おう。あと、できるかぎり弓美になりきって生活しよう」と考えた。
できるだけ弓美になりきったほうが、あとで元に戻ったときに不都合がないからだと判断したからだ。


怜は弓美の母・典子の「娘に可愛い格好をさせたい」趣味のことも知っていた。
けど、暴力をふるわれるわけでもなく、単に服を着せたいだけなら別にいいんじゃないか、という軽い気持ちも持っていた。
が、しかしこうして弓美と入れ替わることで、弓美が母の趣味をとことんいやがっていたことを自分の身をもって実感していた。

弓美(これは・・・弓美がうんざりするのも分かる気がするなぁ・・・今日、何回着替えたっけ?このネコの格好で、もう6着か7着目ぐらいのような・・・)
# by irekawari | 2008-02-06 23:35 | 女同士入れ替わり | Trackback | Comments(0)
スキー旅行で女同士入れ替わり
置鮎絵美
伊藤圭太

木下美咲



置鮎絵美は女友達と冬の雪山へスキー旅行に出かけていた。
絵美の恋人・伊藤圭太はちょうど外せない用事があったため、絵美と一緒には行かなかった。
そして絵美が参加したスキー旅行で、行きの雪道でバスのスリップ事故が起こり、死者は出なかったものの、何人か重体となる者も出た。

絵美の友人は無傷で、絵美自身も半月ぐらいの入院は必要なものの、その程度で治るような、どちらかというと軽いケガだった。
ただ、強く頭を打ったのか、絵美は記憶喪失になっていた。恋人の圭太が面会に来ても、彼のことが分からなかったほどだ。医者は時間をかければ思い出すでしょうといい、圭太はとりあえず時間をかけて見守ることにした。
そして、絵美の隣の座席に座っていた女性は打ち所が悪かったらしく、未だに意識が戻らない。


記憶喪失になっていることもあるかもしれないが、絵美は以前の活発さはなくなっていて、かなりおとなしい、無口な性格に変わっていた。
しかし圭太は、それは記憶喪失になっているから、ということで納得していた。



バス事故が起こり、絵美が入院するようになって一週間が経った。
ここは夜の病院。
圭太は絵美に電話で呼び出され、絵美が入院している個室までやってきていた。

圭太「どうしたんだ、絵美。もしかして、記憶を取り戻したのか?」
絵美「ごめんなさい、圭太さん。違うんです・・・」
圭太「なんだ、そうなのか。でも焦らなくてもいいよ、時間をかければいずれ思い出すだろうし」
絵美「違うんです・・・ごめんなさい。記憶喪失なんて嘘なんです」
圭太「え、う、嘘?な、なんでそんなことを?」
絵美「私が・・・本当は置鮎絵美じゃないからです・・・」
圭太「え・・・ど、どういうことなんだ?」
絵美「私の本当の名前は木下美咲。あのスキー旅行のバスで、置鮎絵美さんの隣の座席に座っていた者です。私にもなぜだか分からないのですが・・・あの事故の後、目が覚めたら、私は私ではなく、置鮎絵美さんの身体になっていたんです」
圭太「え・・・!?そういえば座席表を見たとき、絵美の隣の人がそんな名前だった気がするけど・・・い、いきなりなに言ってるんだ?やっぱりまだ、記憶が戻ってないんじゃないか?」
絵美「いえ、私は正気です・・・木下美咲としての記憶はきちんとあります。これは私の推測なのですが・・・本物の絵美さんの精神は、今この病院でまだ意識不明で眠っている、私の身体・・・木下美咲の身体の中で今も眠っているんだと思います・・・」









・・・続きません(汗)。
この絵に合うような話を書きたかったがためだけに書きました。
自分で書いておいてなんですが、暗い話は苦手です・・・(汗)。もっと明るく楽しい入れ替わりを書きたいです。
# by irekawari | 2008-02-05 23:54 | 女同士入れ替わり | Trackback | Comments(0)
WEB拍手コメントレス。
WEB拍手コメント書いてくださった方、拍手押してくださった方、ありがとうございました。




2月3日
23:39
>なんというか、激しい入れ替わりを見てみたいです。例えば、ペットショップに雷が落ちて中の生き物の魂が滅
>茶苦茶に。勝手に魚を食べ出す店員、四つん這いで歩き所構わず用を足す客、喋り出すペット…みたいな。

例えば~の例からしてもうかなり激しい!!
シチュエーションからして珍しいですし、規模も大きい。この上なく激しいです。
私はやはり未だに動物との入れ替わりは苦手意識があるので、同じようなシチュエーションであれば、例えば女子校の文化祭や体育祭で雷が落ちて女子生徒全員と女性教師全員がごちゃ混ぜ状態で入れ替わる、という展開なら見てみたいなーとか思ったりしました。




2月2日
0:07
>手塚治虫大先生の「ロバンナよ」は神です。一度読む事を進めます。
実際に本は読んでいないですが、ネットで調べてみると大まかな内容が分かりました。
本当に入れ替わりが起こっていたのか?というのがポイントですね。ひょっとして、手塚治虫先生の友人こそがおかしくなっていて、「入れ替わった」と思いこんでいるだけかもですし。ラストもずいぶん意味深っぽいです。
やっぱり、人と動物の入れ替わりだとダークなものになってしまいますね、人と動物の入れ替わりで、明るい話ってないのでしょうか。
紹介してくださり、ありがとうございました。



19:55
>人と物が入れ替わる話ってあまりないですよね。例えば、巫女さんが転んで頭をぶつけた弾みに狛犬と入れ替わ
メッセージが途中で切れているのが気になります、まだまだ続く予定だったのでしょうか。
人と物の入れ替わり・・・無いですね、私も頭にパッと浮かんでこないです(汗)。
物だとやっぱり動けないから話を作りにくいし、物だと性別がないのでエッチなことして興奮する、ということもできないですし、どうにもこうにも盛り上がりづらい気がします。物でも、「人形」のように限りなく人に近い形をしているのであればまだ多少は話を作りやすいかも。



2月1日
0:15
>入れ替わる時、一時的に精神同居も面白いかもしれませんね。勝手に他人に入り込み、しばし一つの体にいる間
>に記憶をコピーした挙げ句持ち主の魂を元の体に押し込むとか…

はぅあっ!すみません、精神同居も記憶コピーもあまり好きではなかったりします(汗)。入れ替わりにしろ憑依にしろ、1つの身体の中に精神が複数あると、どうしても「乗っ取っている感」に欠けてしまいますし、記憶コピーもあまりにも乗っ取った側に有利すぎて、あまり使いたくない要素だったりします。
とはいえ、どちらも入れ替わりものならではの面白いアイデアだと思いますし、私も好き嫌いばかりせずいろいろやってみるべきなのかも。




1月31日
23:53
>女盗賊が罰としてあるメイドと入れ替えられ元自分の奴隷にされるようなただ入れ替えられただけでなく元自
>分に屈辱的なことをされるような話を是非。

「元自分に屈辱的なことをされるような話」って、そういえばほとんど書いたことないですね。
例えば嫁と姑が入れ替わるとして、姑になった嫁はもうそれだけで死ぬほど嫌でしょうし、私の場合は「入れ替わるという行為そのものが屈辱的な事」という風に認識していたりします。というわけで、入れ替わった後に更に屈辱的なことをさせよう、という思いはあまり沸かなかったり。
でも悪いことをした罰として身体を入れ替えられて・・・という展開はすごく面白そうです。
# by irekawari | 2008-02-04 23:39 | web拍手お返事 | Trackback | Comments(0)
東方Project二次創作 『紅魔館恋異変』 第8回
東方Project二次創作 『紅魔館恋異変』 第7回
の続き。






東方Project二次創作
魔館異変』
第8回











フランドール・スカーレット  姉のレミリアのことが好き。
レミリア・スカーレット  妹のフランから求められれば応えるが、本心では咲夜が好き。
十六夜咲夜(いざよい さくや)  主であるレミリアに、想いを寄せている。
妖精メイド 館の中のあらゆる雑務を担当している。大勢いる。







今朝からずっと降り続いている雨は一向にやむ気配はなく、雨足もだんだん強いものになってきていた。
吸血鬼レミリア・スカーレットを主とするこの紅魔館の中も、すっかり湿気が充満しきっていた。



フランドール・スカーレットの魂を宿した十六夜咲夜は、姉のレミリア・スカーレットに紅茶を淹れて持ってくるようにいわれた事を思い出し、自分の部屋である地下室を出て、最初に「十六夜咲夜」として目覚めたこの場所、厨房に戻ってきていた。

咲夜「はぁ、やっと着いた・・・」
厨房に着いた途端、咲夜は疲れのため、はぁと息をはき、ため息をついた。
咲夜「うー、疲れたよー。今の私ってさくやだから、空を飛んだりできないんだよね、人間って不便だなー」
咲夜はメイド服のスカートを翻しながら思わず手近にあった椅子にどっかと腰をおろし、しばしの休憩をとった。
咲夜「でもこれもお姉さまに好きでいてもらうため。これからは私がさくやなんだから、ちょっと疲れるぐらい我慢しなきゃね」
そう独り言をつぶやいて、咲夜は自分で自分に言い聞かせていた。
椅子に座っている咲夜はなんとはなしに自分の胸を見てみた。
咲夜が息を吸ったり吐いたりするのとぴったり合うように、ふたつの大きなふくらみも静かに上下運動を繰り返している。それを見ていた咲夜は思わず両手で自分の胸を、紺を基調としたメイド服の布ごしにぎゅっと掴んでみた。
咲夜の手のひらにやわらかい感触が伝わってくる。ちょっと力をこめると簡単につぶれるが、元に戻ろうとする力も強いのかぷるんとした弾力も手のひらに伝わってくる。こうしてぎゅっぎゅっと掴んでいるだけで気持ちがいい。
咲夜「やっぱりさくや、胸大きいな。お姉様も女だけど、やっぱり胸は大きいほうがいいのかな」
吸血鬼の一族であるレミリアとフランドールはほぼ不死に近い長寿をもっているが、その代償として、生まれたときから死ぬまでずっと幼い少女の姿のまま、という制約を課せられている。外的要因により多少の体型変化はあるかもしれないが、それでも人間のように年を経て成長して大人びた外見になる、ということはない。
そして十六夜咲夜は、容姿が美しいだけでなく、女性としてほぼ完璧に近いぐらいのプロポーションの持ち主だった。
そういうわけで、強く意識してきたわけでもないが、フランドールは出るところは出て、ひっこむところはひっこむ、という理想の体型を持つ咲夜を多少はうらやましく思っていた。

咲夜「でも、今は私がさくやなんだよね。この胸も・・・この身体の全部が私のものなんだよね」
咲夜はそう言って自分の胸から手を離し、今度は自分の両肩を包み込むようにして抱きしめる。
咲夜「お姉様・・・」
咲夜の中のフランの脳裏に、数時間前に偶然目撃した、咲夜が姉のレミリアを後ろから愛しそうに抱きしめていた光景が思い起こされる。
咲夜「お姉様・・・もう何回くらいああやってさくやに抱きしめてもらってたのかな。10回?20回?もっと前からかな。ひょっとしたら、抱きしめること以外のことをしていたのかも・・・」
フランドールの心の中に、再び熱い炎のような嫉妬の心が芽生えてくる。
咲夜は思わずその咲夜がレミリアを抱きしめていた光景を打ち消すかのように頭をぶんぶんと左右に振り、ぎゅっとこぶしを握り締めた。
咲夜「ううん、もうそんなの昔のことよ。さくやはもういない。これからは私がさくやなんだから。お姉様が好きな人は十六夜咲夜。その十六夜咲夜は私。これまでどおり、お姉様は私のことを好きでいてくれる・・・」
邪魔者はもういない。
そのことを再確認した咲夜は勝利を確信したとばかりに、思わず口の端を少しだけ吊り上げ、笑みを浮かべた。

咲夜「って、いけない!またお姉様に紅茶持っていくの忘れるところだった!」
姉のことを強く思っていた咲夜の中のフランは、その姉から紅茶を持ってくるよう頼まれていたことをまた思い出し、座っていた椅子が大きく揺れるほどの勢いですっくと立ち上がった。立ち上がった勢いで、もみあげ部分で三つ編みにした髪と、胸の2つのふくらみが大きく揺れた。

咲夜は厨房の壁にかかっている時計を見る。
時計の針が指している数字を読むと、廊下でレミリアから紅茶を頼まれたあの時から、けっこうな時間が経っているのが分かった。
広い紅魔館のほぼ中央にあるこの厨房と、館の最深部の突き当たりにあるフランドールの私室を兼ねた地下室の間を、徒歩で1回往復しているのだ。そこそこの時間が経過しているのは当然だ。
咲夜「うー、もうけっこう時間経っちゃってるよ・・・。あんまりお姉様を待たせるわけにもいかないし、早くしないと。でも・・・」
咲夜はまたここで新たな問題にぶつかっていた。

咲夜「私・・・紅茶の淹れ方分からない・・・」




フランドールはこの館の主の妹であり、「お嬢様」であるので、人になにかしてもらったことは数え切れないぐらいあるが、人になにかしてあげたことは1回もない。フランは「誰かになにかしてもらう」のが当然の立場なので、「紅茶を淹れる」という雑務の仕方など知っていようはずもない。

これが本物の十六夜咲夜なら、最高の味と温度の紅茶を普通になんでもないことのように淹れて差し出すだろう。主であるレミリアに仕えるようになって数年、レミリアからあらゆる面で絶大な信頼を得ている十六夜咲夜にとっては、美味しい紅茶を手早く出すということなど、「出来て当たり前」の行為なのである。
しかし、今の十六夜咲夜の中にいるのは、自分で飲むミルクですら自分で入れたことのないほどの生粋のお嬢様であるフランドールなのだ。紅茶を淹れるという、慣れた者にとっては簡単な作業でさえ、フランにとっては困難を極めることになるだろう。

咲夜「でも、今の私は咲夜なんだから・・・出来なきゃおかしいよね」
十六夜咲夜として生きていくと決めた次の瞬間からいきなり困難の壁にぶちあたって思わず暗い気持ちになりかける咲夜。
咲夜「でも・・・私やるわ!きっと、お姉様に美味しい紅茶を淹れてみせる!」
姉であるレミリアへの愛なら誰にも負けない!とばかりに、暗い気持ちを吹き飛ばし、決意の意思を瞳にみなぎらせてぐっと拳を握り締めている咲夜の姿があった。


咲夜「でも、わかんないものはわかんないよ~。そもそも、紅茶ってどうやって淹れるの~?」
先ほどの咲夜の燃えたぎるような決意も、早くももろく崩れ去ろうとしていた。困り果てた咲夜は、思わず頭を抱えてしまう。
とにかく、紅茶を淹れようにも方法が分からない。
とりあえず咲夜は厨房内を歩き回り、紅茶を淹れるのに必要そうなものを台の上に出してみることにした。
咲夜の他に誰もいない広い厨房の中で、ガチャガチャと物が積み上がっていく音が響き渡る。



そこへ、次の仕事のために移動中だった妖精メイドのひとりが、たまたま厨房の前を通りかかった。
厨房はドアがなく常に開放しているため、外からでも容易に中の様子が分かる。

ちなみに、十六夜咲夜の役職は「メイド長」である。「メイド長」というぐらいだから、ただの「メイド」も当然のことながら居る。この紅魔館で働いているメイドは咲夜以外は全員妖精で、主に掃除・洗濯・食事の用意など、雑務を担当している。妖精メイドは妖精だけあって、全員、昆虫の羽根のような半透明の羽を背中に持っている。服装は咲夜のメイド服とほとんど変わらない、オーソドックスなデザインのメイド服である。あと、当然のごとく、妖精メイドたちは全員女である。


妖精「あれ?メイド長、なにやってるんですか?」
咲夜「あれでもない、これでもない・・・」
厨房の前をたまたま通りかかった妖精メイドは厨房の外、通路から中にいる咲夜に声をかけてみたが、当の咲夜はなにやら作業に集中していて、妖精メイドの声は届いていない。
妖精「なにやってるんだろ・・・片付け?整頓?」
見ると、咲夜は棚という棚から、中にあるものを手当たり次第に取り出しては台の上に置き、積み上げ、また棚から物を取り出しては積み上げる、ということを繰り返している。
妖精「でも厨房の一斉片付けは一昨日やったはずだけど・・・メイド長、メイド長ーーーーっ!なにやってるんですか?手が必要なようなら、手伝いますよー!?」
妖精は声を大きくして中の咲夜に呼びかけてみた。
咲夜「これも違う・・・かな。でも必要かもしれないし・・・とりあえず置いておこうっと」
・・・やはり、妖精メイドの声は咲夜に届いていなかった。
妖精「いつもはどんな騒音の中でも呼べば答えてくれるのに・・・どうしたんだろう?」
呼びかけても無駄だと悟った妖精メイドは、実力行使に出ることにした。
妖精メイドは背中の羽をパタパタを羽ばたかせながら、物であふれかえっている台の間をすり抜け、咲夜の背後まで近づいた。
妖精「メイド長、メイド長ーーーーっっ!!」
妖精メイドは咲夜の背後でさらに大声で呼びかけてみた。
咲夜「紅茶ってオレンジか赤い色をしてるから・・・そういうものを探せばいいのかな」
ここまでしても、咲夜はまだ妖精メイドの呼びかけに気づかなかった。それだけ作業に集中していたのである。

妖精「もう、どうしちゃったの、今日のメイド長は。こうなったら・・・」
妖精メイドは最後の手段に出た。
妖精「メイド長ーーーーーーーーーーっっっっ!!!!」
妖精メイドは大声を出しつつ、咲夜の両肩を掴み、ぐるりと力まかせに咲夜の身体を反転させ、無理矢理こちらに向けさせた。
咲夜「わ、わぁっっっっっ!!び、びっくりした!!」
不意をつかれ、相当驚いたのか、咲夜は大口を開けて叫んだ。
妖精「わぁっ、びっくりしたのはこっちですよ。そんなに驚くなんて、メイド長らしくない・・・」
咲夜「あ、め、メイド?なんだ・・・。なんなの、いったい」
妖精「そりゃ、私はメイドですよ。なんなの、っていうのは私が聞きたいぐらいです。どうしたんですか、メイド長。厨房の物をこんなに出してきて。整理するなら手伝いますが、もっと人数が必要なようでしたら、他に手が空いてるメイドを呼んできますよ」
咲夜「・・・ん、なに、メイド長って。誰のこと?」
妖精「・・・えっと、メイド長、それは冗談なのですか?ここは私、笑うところなんですか?」
妖精メイドは眉をひそませ、相当困惑した表情をしてみせた。
咲夜「・・・・・・・ああそっか、今の私はさくやなんだった」
咲夜は左の手のひらを右の拳でポンと叩き、ようやく合点がいった、という風な表情を浮かべ、あらためて目の前の妖精メイドを見た。
咲夜(今の私はさくやで、さくやってメイド達のリーダーだったんだよね。いけないいけない、ついつい、自分がさくやだってこと忘れちゃう)

妖精「もう、どうしちゃったんですか、メイド長。疲れているんじゃないですか?仕事があるなら私が代わりますから、メイド長は少し休まれたほうがいいんじゃないですか?」
妖精メイドは、先ほどから咲夜の様子がおかしいのは連日ほとんど休みなしで仕事をしていて疲れがたまっているせいだと思い、上司である咲夜に少し休息をとってみては、と提案した。
咲夜「わ、私は・・・大丈夫よ!ちょっとこれは・・・お姉様・・・じゃない、お、お嬢様から頼まれた仕事で、私ひとりでやらなきゃいけないので・・・」
妖精「そうですか?でも、なにをするのか知りませんけど、けっこうすごい量みたいじゃないですか。やっぱり私、手伝いますよ」
咲夜「い、いいってば!」
迂闊に一緒に居られると、自分の中身がフランドールだってことがバレてしまうと考えたフランは、なんとかこの妖精メイドに出て行ってもらおうとしたが、そのとき、ある考えが閃いた。
咲夜(あ、そうだ、この妖精メイドに紅茶の淹れ方教えてもらえばいいんじゃ・・・!)




続く。



後書き。

この話、今まで全く外見描写をしていませんでした。
二次創作なので、原作を知っている方は外見描写がなくてもどんな姿か分かると勝手に思っていたのですが、当然ながら原作知らない方だとどんな姿なのか全く分からないですし(汗)。
というわけで多分に今更ですが、今回の話(第8話)から多少なりとも外見描写を入れていたりします。
# by irekawari | 2008-02-03 22:44 | 女同士の憑依・乗っ取り | Trackback | Comments(2)
魔王と魔王の妻の入れ替わり
魔王と魔王の妻の入れ替わり



魔王グラド
魔王妃セリーヌ

魔王子シリウス

セリーヌの元恋人・キルシュ








魔界の王・魔王グラドは人間界に侵攻。
グラドは手始めにサドルート国を乗っ取り、ここを人間界侵攻の本拠地とした。
さらにグラドは人間界侵攻とはまた別に、単身世界中を回り、自らの妃とするべく人間の若い娘を数人攫い、自分の国へ連れ帰った。グラドは集めた数人の女性の中から最終的に一人を選び、その娘と結婚した。それは相手の娘の意思など一切受け入れない、魔王の力づくによる一方的な行動だった。
娘の名はセリーヌ。彼女は普通の人間で、とりたてて何か特別な能力を持っているわけではないが、生まれつき髪が真っ白で、さらに瞳が赤かった。
セリーヌは美しくさらに優しい心の持ち主だったが、その普通の人ならざる外見のため、人々から迫害を受けてきた。
そのため、セリーヌが魔王に攫われたときも、彼女を心配する者はほとんどいなかった。逆に、以前から魔界の住民と通じていたとか、あの外見は元々魔界の民であったからとか、迫害を受けた腹いせに自ら進んで魔王の妻になった等、事実無根なことを人々は噂し合ってさえいた。

魔王グラドが人間界に侵攻して10数年。
魔王軍の力は強大だったが、人間たちの必死の抵抗もあり、いまだに魔王の支配する土地は全世界の3分の1ほどだった。
魔王グラドはセリーヌを攫ってすぐに彼女の純潔を奪い、自分の子供を孕ませた。
グラドとセリーヌの間には男の子が生まれ、シリウスと名づけられた。

しかし魔王にとってセリーヌに子供を生ませたのはほとんど余興みたいなものであり、グラドはシリウスに対して親らしいことは全くしなかった。寿命の長い魔王は現在でも力は全盛期のそれであり、自らが衰えたから子に後を継がせるとか、そういう意味も全くなかった。
魔王はシリウスのことをほとんど「物」みたいにしか扱っていなかった。

しかし母親であるセリーヌは人間と魔族のハーフであるシリウスに愛情を持って接し、幼いころはほとんどつきっきりで育て上げた。
粗暴を絵に描いたような魔王ではなく、セリーヌの母の愛によって育てられたシリウスは、まっすぐな性格に育ち、「人の痛み」というものも分かるほどの思慮分別のある者へと成長していた。




そして現在、シリウスは14歳。
セリーヌが魔王の妻となった日から14年が経った。15だったセリーヌも29歳となり、すっかり大人の女性になっていた。

セリーヌは魔王グラドとは普段は別居していて、呼ばれれば魔王の元へ赴いていく、ということをしている。
そしてここはセリーヌが普段住居として使っている建物である。
そこへ、セリーヌの息子・人間と魔族のハーフであるシリウスが訪ねてきていた。

シリウス「母上、またあいつに暴力を振るわれたのですか!?」
セリーヌ「シリウス、自分の父をあいつなどと言ってはいけませんよ」
シリウス「あいつはあいつですよ!あんな奴、父親でもなんでもない!母上だって、あの男には不満を持っているでしょう!?何度も言っていますが、私と一緒にここを抜け出しましょう!」

シリウスは父である魔王グラドが嫌いだった。むしろ憎んでさえいた。当然だ、生まれたときから親として愛情を注がれたことなど皆無だったからだ。シリウスにとってグラドは、幼いころから数回しか会っていない上に、たまに会っても特に理由もなく殴られた、そんな記憶しかない。そのような者に、いい感情を持ちえるはずがない。

セリーヌ「シリウス、私も何度も言っていますが、私はあの人の元を離れるつもりはありませんよ。あなたももう親離れをする年頃でしょう、あなたが行きたいところがあるのなら、私は止めはしません。あの人は・・・元からあんな人だから、あの人もあなたを止めたりはしないでしょう。私のことは気にせず、自由な世界に旅立ちなさい」
シリウス「・・・理解できません!あんなケダモノのような男の何がいいのです?・・・今日こそははっきり言わせていただきますが、あの男は母上を性奴隷としてしか思っていないのですよ!?」
セリーヌ「・・・・・・」
シリウス「それだけでも許せないですが、その上日常的に暴力を振るう!母上の体だって、あちこち痣だらけじゃないですか!その上、子の私には一切の愛情を示さない!まあ、私はまだ幸せです。母上の愛情をもらってここまで育つことができましたから、母上には感謝しきれないほど感謝しています。母上の愛情をもらわなければ、私もあの男のような心のない者になっていたかもしれません。でも、母上はどうです!?魔王の妻とは名ばかりで、四六時中監視のついた軟禁生活。たまにあの男に呼び出されれば、欲望のはけ口にされる!母上には、全く幸せがないじゃないですか!」
シリウスは日ごろ感じていた不満をここぞとばかりに一気に爆発させた。
しかしセリーヌは、息子の抗議をそれほど気にした風でもなく、静かにうつむき気味に顔を左右にふり、やんわりと否定の態度を示した。
セリーヌ「そうね、たしかにあの人は粗野で粗暴で、人をためらいもなく殺します。・・・あなたにはずいぶん辛い思いをさせましたね。父親の愛情を、あなたに与えてあげることができなかった・・・」
シリウス「いりませんよ、あんな奴の愛情なんか!あんな奴、いつか私が滅ぼしてやります!」
セリーヌ「シリウス、あの人は、同じ人間であるはずの周りの人から迫害されてきた私を受け入れてくれて、さらに私を必要としてくれたのですよ。たとえそれが、ただの欲望のはけ口でしかないとしても。人間の世界で、普通の人間たちと一緒に暮らしていたときは、もっと辛かった。あの人は私に、まともな生活を与えてくれた」
シリウス「母上!」
セリーヌ「シリウス、誤解しないでね。私は別に、いい暮らしができるようになったから、ここを離れないわけじゃないのよ。私はあの人の、心の支えになってあげたいの」
シリウス「あんな奴の!どこに心があるっていうんです!まともな心のある奴が、自分の妻を陵辱したり暴力振るったりなんかしないでしょう!」
セリーヌ「・・・あの人はね、寂しいのよ」
シリウス「・・・寂しい?あんな奴に、そんな普通の人間らしい心があるわけがない!」
セリーヌ「あの人は絶対的な力を持つがゆえに生まれながらにして孤独だった・・・私もずっとひとりだったから、あの人の気持ちが・・・なんとなくだけど分かるのよ。ああ、この人は、寂しいんだなって。周りとの接し方を知らないから、力に訴えるしかできないけど・・・。私はあの人の心の隙間を埋めてあげたい。支えになってあげたい。あの人と一緒になって十数年、まだそれはできていないけど・・・私が生きている間は、あの人の傍に居てあげたいの。・・・私のことは大丈夫よ、たまに辛いときもあるけど、長いこと一緒にいるうちに、もう慣れちゃったから。だから、私のことは気にせず、あなたはあなたの進みたい道を行きなさい」

シリウス「・・・本当にそれが母上の本心ですか?」
セリーヌ「そうですよ、嘘偽りのない、今の私の気持ちです」
シリウス「・・・なら、キルシュという人間の男のことは?」
セリーヌ「!」
今までシリウスのどんな抗議にも動じなかったセリーヌが、その名前を聞いて、ほんの少しだが、初めて動揺した素振りを見せた。
セリーヌ「・・・どこでその名前を?シリウスには話したことはなかったはずですが」
シリウス「私は何度も人間の国へ行っていますからね。母上の生まれた里にも行ったことがあります。そこで聞きました。母上はあいつに攫われる前、キルシュという人間の男とは将来を誓い合う仲だった。そのキルシュという男がどんな人物なのかは詳しく分からなかったけど・・・人間だけど母上の外見を気にしたりしない、すばらしい男だったんでしょう。母上は、そのキルシュという男のことが忘れられないのでは?あの魔王に無理矢理従わされているから、そのキルシュという男のことも無理矢理忘れ去ろうとしているだけなんじゃないですか?」
セリーヌ「・・・キルシュは・・・死んだって聞いたわ。人間が組織した魔王征伐軍の中に居たらしいけど・・・戦の最中に命を落としたって・・・」
シリウス「風の噂でしょう!ひょっとしたら生きているかもしれない!遺体を見たわけじゃないんなら、まだ生きているかもしれないんだ!そのキルシュって人が生きていたら・・・その人の元へ帰りたいでしょう?」
セリーヌ「・・・シリウス。もう時間が経ちすぎているのよ。たとえキルシュが生きていたとしても・・・キルシュとのことはもう過去。今の私は魔王グラドの妻。そして今の私は、グラドの傍に居てあげたい」
シリウス「どうあってもお考えは変わらないのですか・・・」
セリーヌはただ静かにうなずき、肯定した。
シリウス「分かりました。でも私もまだあきらめませんから、また来ますね。それと、そう遠くない日にあの男を討ち取ります。私も諸国を旅して、あの男に対抗できるほどの力を身につけてきているつもりですから。母上の夫を殺すことになりますが・・・そのときは止めないでくださいね」
シリウスは母に向かって一礼すると、踵を返してセリーヌの住居から出て行った。
後に残されたセリーヌは沈んだ表情で、はぁと一息、重いため息をついた。
# by irekawari | 2008-02-02 23:47 | 男と女の入れ替わり小説 | Trackback | Comments(2)
『ボクがあの娘(こ)であの娘(こ)がボクで』
『ボクがあの娘(こ)であの娘(こ)がボクで』
「さめだ小判」先生
チャンピオンREDいちごVOL.4
読み切り


2007年の11月ぐらいに出た本です。


この作品には「男女入れ替わり」があります!






この先、画像つきネタバレがあります!
# by irekawari | 2008-02-01 23:00 | 入れ替わり作品の紹介・レビュー | Trackback | Comments(0)
web拍手コメントお返事。
拍手コメのレス。
拍手ポチッと押してくださった方、コメント書いてくださった方、ありがとうございました。




1月31日
17:53
>母親と娘の入れ替わりがツボにきました。このあと二人はどうなるのか続きを期待してます。
うおお!ツボでしたか!
たったお一人でも、自分が書いた話を楽しんでくださった方がいらっしゃる、というのはむちゃくちゃ嬉しいです!
続きも期待してくださっているみたいで、感謝です~。しかし、続きがまだ書けていません(汗)。実際に続きを書いていれば、「この後はこういう展開になりますよ」とか言った後にすぐに続きを掲載、とかできるのに・・・。


1月30日
18:47
>どんな入れ替わり話でも取りあえず長めで完結した物を。
1つ1つの話をきちんと完結させる・・・という基本的なことが未だに出来ていないですね私。
皆さんのコメントを見ていると「長めの話(長編)」を希望、というお声が多いような。やはり皆さん、長い話を読みたいのでしょうか。


1月29日
15:56
>女性が女性にドキッとすること、ありますよねやっぱり。できれば、悪い娘と清純な娘が入れ替わって
>悪い娘が清純な子の体を使ってエッチなカッコしたりするのもいいかも。で、その子もそれ見て濡らしちゃう。

私は男なので女性の心理はあまりよく分からないですが(汗)、やっぱりそういうこと、あるのでしょうね。というかあってほしい、と願っていたり。女性が女性に惚れたり、興味を持ったり・・・というような百合な展開が好きだったりするので。
悪い娘と清純な娘~のように、正反対なタイプの入れ替わりはすごくいいですね!中身が入れ替わることによって服装の趣味も入れ替わり、服装がガラッと変わる・・・というのは入れ替わりものならではの展開ですね。特にそういう、大人しい子がエッチで妖艶な格好するというのは激しくツボです。


23:29
>女性が風呂上がりに電化製品を触り感電、ペットが知らずにじゃれてきて仲良く感電。ペットが気付くと女性の
>体になっていて、体を弄っていたら旦那さんが来てしかも全裸でペットのように振る舞うので旦那さんも興奮し
>て……みたいな話が見たいです。このサイトはいろんなパターンの入れ替わりがあるのでいつも新しい話がたの
>しみです!管理人さんのペースで頑張ってください。

ペットと感電して入れ替わり・・・は、シチュエーションがかなり細かく具体的に描かれていて、あらすじを読んでいるだけで楽しめました。 コメントには「ペット」としか書かれていないですが、やっぱり犬か猫なのでしょうか。妻に全裸でケモノのように振る舞われたら、旦那さんもそりゃ興奮します!
そういえば自分、落雷も含めて「感電して入れ替わり」って全くといっていいぐらい書いたことないような(汗)。ネタに困ったら階段入れ替わりばっかり書いている気がしますし、マンネリなのしか書けていない気がします(汗)。
でも新しい話が楽しみ、と言っていただけるのはとても嬉しいです、ありがとうございます~。
自分のペースに忠実にいくと私は間違いなくダラけてしまうので(汗)、多少自分にムチ入れつつ、チマチマ書いていきたいと思います~。
# by irekawari | 2008-01-31 23:46 | web拍手お返事 | Trackback | Comments(0)
ボディ・チェンジ・ショップへようこそ!! ~始動編~
ボディ・チェンジ・ショップへようこそ!!
~始動編~






磯嶋美由紀(いそじま みゆき) 27歳 主婦
磯嶋愛菜(いそじま まな) 9歳 小学3年生

磯嶋陸(いそじま りく) 31歳 会社員




磯嶋家は夫・陸、妻・美由紀、長女・愛菜の3人家族。
都心部から少し離れた住宅街に、ローンで購入した一戸建てに住んでいる。



ある晴れた週末の日曜日の、まだ朝早い時間帯。
陸の会社は日曜のみ休み、愛菜は小学生だから日曜は当然学校は休み、美由紀は主婦なので、年中家にいる。なので、日曜日は一週間のうちで唯一、家族がゆっくり一家団欒できる日である。
だがしかし、そんな日であるにもかかわらず、陸はマイホームで一人で留守番していた。

陸は居間で横になってぼーっとテレビを見ていた。
陸「ふぁ~ああ・・・」
陸はテレビを見ながら豪快にあくびをした。
そしてテレビから視線を逸らして、壁にかかっている時計を見る。
陸「そろそろ美由紀と愛菜が帰ってくる頃かな・・・」
陸の妻である美由紀と、娘の愛菜は二人揃って、日の出とほとんど変わらないぐらいという、かなり早めの時間に外出していた。

陸はよっこらせっと体を起こし、テーブルの上に置いてあった紙を数枚まとめて手に取り、眺めた。
今、陸が見ているこの紙に書かれている場所が、美由紀と愛菜が早朝から向かった目的地である。

陸「『ボディ・チェンジ・ショップ』か・・・身体を入れ替えるなんて漫画みたいなこと、本当にできるのかね?」

陸は手にした数枚の紙を上から見終わっては次の紙をめくり、見終わっては次の紙をめくる、ということを何度か繰り返した。
ちなみにこの紙は、数日前に美由紀が家のパソコンからその『ボディ・チェンジ・ショップ』のHPにアクセスして、そのHPに載っていたことをそのままプリントアウトしたものである。
陸「まあ、HPだけ見ていたらそこそこしっかりしている店らしいけど。万が一の時の対応もちゃんとしてくれるみたいだし。値段もずいぶん安いけど・・・こんなのでほんとに儲けになるのかね」


『ボディ・チェンジ・ショップ』。
その名の通り、お互いの身体を入れ替えてくれる店らしい。場所は都心のとあるビルの中にあるらしい。しかも、ビルの外観からはそんな店があることは分からないよう、うまく隠されているらしい。完全予約制で、公式HPを介してのネット予約しか受け付けていない。かなり大人気らしく、予約もつねにいっぱいで、美由紀は登録したもののなかなか順番が回ってこなかったらしいが、最近ようやくその順番が回ってきたらしい。
それが今日だ。


こんな店があることを探し出した美由紀本人は、この店を利用することにかなり乗り気だった。娘の愛菜も同様に、ここ数日は「入れ替われる」ことをかなり楽しみにしていた。
しかし家族の中でたた一人、陸だけは乗り気ではなかった・・・というか、そんな店が実際にあるということを、半分以上信じていなかった。
まあ、無理はない。
『ボディ・チェンジ・ショップ』は一切宣伝をしていないため、全国的に知れ渡っているというわけではないし、ネット上でひっそりと知られているのみ。見たことも聞いたこともない店を、簡単に信じるわけにはいかない。くわえて、陸はかなり現実的な考えの持ち主だった。
しかしそんな陸とは対称的に、妻の美由紀は愛菜という娘を産んだ今でもどこか夢見がちな、少女らしい心を持ち続けている。一言でいうと、「ぽやーっ」とした性格なのだ。そんな美由紀は、「他人と入れ替われる」というボディ・チェンジ・ショップの存在を知ったとき、「入れ替わりたい」という欲望にかなり惹かれてしまったらしい。

陸からしてみればそんな怪しい店なんか行くな!と強く反対したいところだが、陸は陸で、子供が小学生になるぐらい長く結婚生活をしていても、いまだに美由紀に対してベタ惚れ状態だった。要は陸は美由紀を深く愛してるため、反対はしたいけど、できるかぎり妻のやりたいことをやらせたい、そんな気持ちもあって、今回のボディ・チェンジ・ショップ利用に関して、渋々ながらも承諾をしたのだ。

娘の愛菜も「入れ替わり」ができることを喜んでいた。ただ、愛菜はまだまだ幼いので、ほんとに「他人と身体が入れ替わる」ことをちゃんと理解していたかどうかは怪しい。
「よく分からないけど不思議な体験をしてみたい」という、「遊園地に行きたい」とかと変わらないような、子供らしい好奇心のほうが強いのだろう。


しかし、たった3人しかいない家族のうち、女二人はボディ・チェンジ・ショップに積極的に「行きたい!」といい、たった一人の男である陸はできれば「行くな」といいたい。
2対1と、陸にしてみれば数の上で負けている上に、女同士で仲良くされて、男である自分はなんだか一人のけ者になったような気分で、そのことから、陸はますます不機嫌にならざるを得ないのだった。


陸は持っていた紙を再びテーブルの上に戻すと、立ち上がって大きく伸びをした。
陸「ふぅーーー!まいっか、どうせこんな店インチキだろうし、美由紀と愛菜も今頃騙されてしょんぼりしながら帰ってきてるだろうし、なにか励ましてやる方法でも考えていたほうが建設的だな。幸い、まだ休日の残りはたっぷりあるし・・・みんなでどこかに行くとするかな」
と、いう風に、陸なりに物事を前向きに考えようとしていた、そのとき。



美由紀「ただいまーーーーーー!!」


玄関から大きな声がした。
陸「お、美由紀か?帰ってきたんだな」
居間にいる陸が、声のしたきたほう、玄関のほうを振り向く。

陸「・・・・・・美由紀、だよな?」
陸は二人が何事もなく無事帰ってきたことに安堵しつつ、ほんの少し感じた違和感のために、ちょっとだけ眉をひそめた。
玄関の向こう、家の外から美由紀の声が聞こえた。そのこと自体は別に不思議でもなんでもない。
外出していた美由紀と愛菜が帰ってきて、帰ってきたことを知らせるためにただいまの挨拶をした、それだけのことだ。
しかし、陸はほんの少し、多少の違和感を感じていた。
陸(美由紀にしては元気すぎるような・・・珍しく、ずいぶん浮かれているな)
さっきの声は、聞き慣れた美由紀の声だ。どこか間延びしたような、のんびりした声。・・・のはずだが、今聞こえた声はずいぶんハキハキしていて、声に張りがあった。どちらかというと娘の愛菜がしていそうなぐらいの元気さだ。
陸(・・・まぁそんなときもあるだろ)
たった1回の発声で違和感を感じていたらとても神経がもたない。
現実的なわりに細かいことをあまり気にしない楽天的なところも持っている陸は、「珍しく美由紀が大きい声を出した」という程度の認識で、そのこと自体は全く気にせず、スリッパを履いてスタスタと玄関のほうへ向かった。

玄関に付いた陸はスリッパを脱ぎ、草履に履き替えてコンクリート張りの床に降り、玄関のノブを持ってガチャリと勢いよく開けた。


陸「おー、美由紀、愛菜、おかえりー」
おおげさなようだが、愛する家族が外出から無事に帰ってきたらそれだけで嬉しい。満面の笑顔・・・というわけではないが陸は機嫌よく、玄関前に立っている妻と娘に声をかけた。

美由紀「ただいまー、パパ!」
愛菜「た、ただいま、陸」

陸「・・・ん?」
なにか今違和感を感じたような。
そんな気がしたが、陸は気にせずそのまま続けた。
陸「どうだった?どうせインチキだったんだろ、でもまあ落ち込むなよ、これもまあいい経験だと思えば。それより、ちょっと休んだらみんなでどこかに行くか?」
と、陸は思っていたことを一気にまくしたてた。
陸はボディ・チェンジ・ショップがインチキだと決めつけていた。なので、美由紀と愛菜からも、残念がるような言葉しか聞けないと思いこんでいた。

美由紀「パパ、パパ!あたし、愛菜だよ!」
いきなり、おっとり顔の美由紀が元気かつハキハキした口調で陸に話しかけてきた。
陸「・・・・・・・へ?」
思わず陸は目を丸くして驚いてしまった。
美由紀はそんなハキハキした口調でしゃべらないし、なによりその言葉の内容に驚いた。
陸「な、なにを言ってるんだ美由紀?愛菜はこっちだろ?なあ愛菜?」
そう言って、陸は美由紀にしがみつくようにしてそばに立っている愛菜のほうへ視線を落とした。
子供の愛菜と大人の美由紀では身長にかなり差があるので、普通に立っている状態で陸が愛菜を見るとき、自然と、見下ろすような形になる。
しかし、同意を求めたはずの愛菜の口から出た言葉は、またもや陸にとって驚くべきことだった。
愛菜「あ、あの、陸、今はわたしが美由紀なの。あ、あんまりじっくり見ないで、こんなにちっちゃくなってて、ちょっと恥ずかしいから」
そう言って愛菜は顔を赤らめつつ、美由紀の身体の後ろに隠れるように少し後ろに下がった。
陸「へ?みゆ・・・き?」
もう驚きのオンパレードだった。
愛菜は両親大好きっ子で、陸をパパ、美由紀をママと呼ぶ。少なくとも、自分の父親を「陸」と呼び捨てたりはしない。

陸「え・・・じゃ、なんだ・・・ひょっとしてお前たち・・・」
陸は目を見開き、まだ少し呆けたような表情のまま、目の前の美由紀と愛菜を交互に指さしてみた。
愛菜「うん、そうね、わたしと愛菜は」
愛菜は子供らしくない大人びた口調で、
美由紀「入れ替わっちゃったのー!」
美由紀は一児の母とは思えないほどの無邪気な表情と声で、それぞれ陸の呼びかけに答えた。

陸「ま、マジ・・・だったのかあの店・・・」
# by irekawari | 2008-01-30 23:50 | 女同士入れ替わり | Trackback | Comments(2)
「とらい☆すたーず」より、「七影刃」の一人『フィフス』
「PUSH!!(プッシュ!!)」というエロゲー紹介雑誌の2008年3月号を読んでいて発見。


「七影刃」の一人『フィフス』

メーカー・CLOCKUP
タイトル「とらい☆すたーず」


「とらい☆すたーず」2008年春発売予定!

「とらい☆すたーず」の公式HPはこちら。
ただ、あまり詳しい情報は載っていません(汗)。公式HPはメインヒロイン達は詳しく載っているけど、その他敵キャラ等は全く載っていないです。気になった人は、私が読んだ「PUSH!!(プッシュ!!)」というゲーム雑誌のほうを見たほうがいいかも。



ゲーム内容は、正義のヒロイン達が、ディアブロという悪い奴らの組織と戦う話。
そのディアブロの7人の幹部の一人が、画像の少女「フィフス」。
元々はディアブロに生け贄として捧げられた少女の遺体に、フィフスの意志が宿って生まれた存在らしいです。
乗っ取りといえば乗っ取りですが、個人的にこういう「もう死んじゃっている人の身体を乗っ取る」のは「乗っ取り&憑依」ではないと考えています。たとえば「死体強奪」とか、「乗っ取り」とは別にジャンル分けされるべきものだと思います。

というわけで、本当なら死体を乗っ取るような乗っ取りは好きではないのですが、このフィフスって娘は容姿が実に私好みなのでそういう細かいことが気になりません!かなり気に入ってしまいました。

乗っ取りの設定が無ければ、悪の女幹部によくありがちな「単に妖艶な格好をしたお姉さん」なのですが、乗っ取りの設定があるために、「今はこんな妖艶な格好をしているけど、この身体を使われている少女は、死ぬ前はたぶん可憐で清純な少女だったんだろうから、こんな格好しなかったんだろうなあ。でも今は他人に自分の身体を使われて、こんな格好をさせられている!」と想像すると、激しく燃えます。
いかんせん、死んでから乗っ取られているので、生け贄の少女からしてみれば、自分の身体を勝手に使われているなんて全く知らない、というのが残念といえば残念。そのへんは死体乗っ取りの惜しいところ。やはり乗っ取りは、「自分の身体が乗っ取られている」ということをちゃんと本人に体験させてから乗っ取らないと。

しかし、なんの罪もない普通の少女が、悪い奴らのために殺されて、しかも死してなお、その悪い奴らによって自分の姿を利用されているというのは、本人はその事実を知らないとしてもやはりショックな事実であるわけで、その、身体を利用されている少女の心境になってみると・・・も、燃えるーーーーーーーーーーっっっ!!


あと惜しいのは、このフィフスって娘は単に「数ある敵のうちの一人」でしかないわけで、別にメインヒロインというわけではないです。ひょっとしたらこの乗っ取りの設定も設定だけで終わってしまって、ゲーム中では単なる「悪の女幹部」としてしか出てこないかもしれません。というかたぶんそうなる気が。フィフスの乗っ取り設定は世界観を活かしてはいるけど、メインストーリーにあまり関係なさそうだし(汗)。

しかし、胸元の大きく開いた、真っ黒で妖艶な、分かりやすい「悪の女幹部」コスチュームを着てくれていて、さらにそんな燃える乗っ取り設定まであるこの娘・・・かなりお気に入りです。
# by irekawari | 2008-01-29 07:56 | 入れ替わり作品の紹介・レビュー | Trackback | Comments(0)
WEB拍手コメントレス。
WEB拍手コメントレス。
拍手押してくださった方、コメント書いてくださった方、ありがとうございました。




1月28日
10:18
>男女入れ替わりの悪コスが少なくてちょとしょんぼり(´・ω・`)
うーん、入れ替わった後、妖艶で悪っぽい格好になる、という話はわりと書いてきたつもりなのですが、・・・自分で思い込んでいるだけで、あまり書いていなかったのかも(汗)。
あー、入れ替わった後、どちらかが悪っぽい格好になる話は、ほとんど「女同士入れ替わり」で書いていたような?
男女入れ替わりで悪コス、というのはたしかにほとんど書いたことない気がします。
「入れ替わった後、悪コスになる」というのはものっっっっっっっすごく好きなシチュエーションなので、男女入れ替わりも含めてもっともっと書いていきたいですね。


10:31
>入れ替わりにモチベーションあがらなかったら、エッチな話でも感動小話でもエッセイでも。
>好きなものを描いて下さいな。そっちのほうがアイディアもいろいろ出てくるしマンネリになりません。

全体的にやる気が低下しているというのもありますし、もっと正確にいうと「続きものを書く気がちょっと失せている」という感じでしょうか。しかしそれもこれも全部言い訳ですね(汗)、世の中の入れ替わり作家さんは皆さん普通に定期的に書かれているというのに。
私が文章を書いているのは、大好きな「入れ替わりもの」だからであって、入れ替わりものではない普通の話だと、あまり書く気が起こらないかもです(汗)。しかしそういう狭い考えがいけないのかも・・・まずはいろいろ試してみるべきかもですね。おっしゃってくださっているように、入れ替わりものにこだわらず、まずは書いてみるというところから始めないと。
とりあえず、しばらく書くに困らないぐらいのネタはあるし、「入れ替わりものが大好きだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」という気持ちは今も変わらなかったりするので、後は・・・自分で自分を変えよう、という風に、少しでも向上していかなきゃですね(汗)。
お気遣いありがとうございました~。



1月27日
21:39
>いろいろな作品をたくさん書くより、兎と亀マスクさんが読みたい話を書いて欲しいです。
・・・・・・・・・ふぉぉおおっ!!??
なんだか、あんまりいただいたことがないような内容のコメントなので、ちょっとだけ驚きました。
私が読みたい話、というのは「あれもこれもと、いろんな内容を書くより、兎と亀マスクが書きたい話を書けばいいんじゃないの?」ってことなのでしょうか。
私が読みたい&書きたい話となると、「ドレスを着た清楚可憐なお姫様と、40過ぎた中年オバサンの魔女が入れ替わる話」ばっかり書いてしまいますよ?そりゃもう、猿のように、お姫様と魔女の入れ替わりばっかり、延々と。
あと、私は「甘やかされるとつけあがるタイプ」なので、あまり甘やかさないほうがいいですよ(汗)。
しかし、そのお気遣いは本当に大感謝!です。ありがとうございます。なにげに、私の名前を呼んでくださっているというのも嬉しいです。
# by irekawari | 2008-01-28 23:53 | web拍手お返事 | Trackback | Comments(0)
< 前のページ 次のページ >
トップ  ログイン

白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。WEB拍手もあります。なにかメッセージがありましたら、押してやってください。
by irekawari
WEB拍手&リンクコーナー
エキサイトブログ
最新のコメント
ここのライターさんは、も..
by hiji at 23:26
読んでいただきありがとう..
by 兎と亀マスク(管理人) at 01:26
このゲームは所有していな..
by ZERO at 01:26
とはいえ「リリス風モリガ..
by 兎と亀マスク(管理人) at 17:55
お返事遅くなってすみませ..
by 兎と亀マスク(管理人) at 17:55
マーヴルvsカプコンで体..
by 名無し at 00:16
むつきさんこんばんは!以..
by 兎と亀マスク(管理人) at 00:48
待ってました! 一番続編..
by むつき at 15:03
コメント早っ!! 最近..
by 兎と亀マスク(管理人) at 00:03
はい~、ここは入れ替わり..
by 兎と亀マスク(管理人) at 00:02
最新のトラックバック
「キスへのプレリュード」
from 或る日の出来事
新体操レオタード
from 新体操レオタード
ライフログ
検索
タグ
ネームカード
うわさのキーワード
XML | ATOM

skin by excite