かつては子どもの病気とみられていた百日ぜきに20歳以上の大人が感染するケースが増えている。大人が百日ぜきに感染した場合にはやがて回復するというが、知らないうちに新生児や乳児の感染源になる可能性もあり、国立感染症研究所感染症情報センター(東京都新宿区)が注意を呼び掛けている。
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はしか流行、今年も若者中心か? 同センターによれば、大人の患者の割合は1980年代には数パーセントにすぎなかったが、02年ごろから増え始めた。昨年1年間に全国3,000か所の定点医療機関から報告のあった2,926人(今年1月8日現在)のうち31%が20歳以上の患者だった。
昨年には、四国地方の大学で200人以上の大規模な集団感染が発生したほか、青森県内の消防署でも集団感染が起きている。
百日ぜきの患者数は現在、小児科医療機関からの報告によって把握しているため、同センターでは「大人の患者は実際にはもっと多いのではないか」とみている。
百日ぜきは、「百日咳菌」の気道感染によって引き起こされる感染症。普通の風邪の症状で始まり、次第にせきの数が増えて激しくなる。短いせきが連続して出たり(スタッカート)、息を吸うときに笛のような音がするのが特徴で、時には嘔吐を伴う。
国内では現行のジフテリア・百日ぜき・破傷風の三種混合ワクチン(DPT)が1981年に導入され、患者数はその後着実に減少した。しかし、ワクチンの効果が弱まった大人も感染することが近年になって分かった。
大人が百日ぜきに感染した場合の症状は軽いが、ワクチン未接種児が感染すると重症化しやすいという。百日ぜきにかかった大人が気付かないうちに乳幼児への感染源もあるため、同センターは「大人へのワクチン接種についても検討する必要がある」と訴えている。
更新:2008/03/25 17:52 キャリアブレイン
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08/01/25配信
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