北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さん(50)=新潟県柏崎市=が25日、中央大法学部法律学科を入学から32年ぶりに卒業した。両親と兄透さん(53)が見守る中、東京都八王子市の多摩キャンパスで紺色のスーツ姿で式に臨んだ。記者団に「さらに自分を磨きたい」と語る一方で「50歳での卒業は悔しい。拉致の悲惨さを感じずにはいられない」と複雑な心境も明かした。
さらに「横田めぐみさんは、中学を卒業できないまま。拉致被害者が早く帰国し、卒業証書を手にしてほしい」と語った。
蓮池さんは3年生で帰省中だった78年7月に柏崎市の海岸で拉致された。行方が分からない中、家族が学費を払い続けたが、在籍年限(8年)を迎えた83年除籍に。帰国(02年10月)後の04年9月に3年生として再入学が認められ、自宅で勉強してきた。【工藤哲】
毎日新聞 2008年3月25日 19時34分(最終更新 3月25日 22時23分)