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論説
農の応援団/今こそ期待に応えよう
掲載日:2008-3-23 12:00:00

 食品偽装事件や中国製ギョーザ中毒事件の影響で、若者の間で国産農産物への期待が高まっている。中国産を拒否する一方、食料自給率を上げるべきだと考える人が増えており、国産農産物への期待は高い。安全性をいっそう高め、消費者の期待に応えることで、農の応援団を増やす絶好の機会だ。
 農林中央金庫が東京近郊の20代の独身男女400人を調査した結果によると、「食の安全」に関心がある若者は実に7割を占める。食の安全を守るため生活習慣として実行していることは、「消費期限や賞味期限をよく見る」ことや「なるべく新鮮そうなものを購入する」などとなっている。

 一方、中国産野菜や遺伝子組み換え食品を「食べても良い」と考える若者は1割程度しかいない。食品会社の一連の不祥事に対しては、9割近くが「怒りを感じる」としており、その理由に7割以上が、「食品会社が原料などについて、嘘(うそ)をついていること」を挙げ1位だった。「食の安全が脅かされたこと」がそれに次ぐ。

 自給率について正確に知っていたのは25.8%だが、半数以上が40%に満たないことを認識していた。その上で22.5%が「70〜79%」程度にまで上げるべきだと考えている。次に多かったのが「80〜89%」の16.8%。現状より自給率を下げても良いと思っている人は3%程度しかおらず、ほぼ全員が「食料自給率を上げるべきだ」との認識を持っている。自給率を上げるべきだと考える理由を見ると、「国産品の方が安全だから」が最も多く、極めて国産農産物への期待が高いことが分かる。食料争奪が問題になっていることも反映し、「輸入が止まったときのために」がそれに次いでいる。

 国産農産物への期待はそのまま農業への期待でもある。食への関心と意識が高い20代の若者は、心強い「農の応援団」となってくれるかもしれない。

 しかし、1日の食費が平均1222円(一人暮らし1428円、家族などと同居1077円)と、食生活が意外に慎ましやかで質素なこと。一人暮らしの男性が「安い」ことを最重要視しているのに対し、同じく一人暮らしでも女性は「安全・安心」を重視するなど、生活形態や性別によって意識に差があることも浮き彫りになっている。さまざまな事件が食への意識の高まりにつながっていることも明白で、時がたち食の安全問題が忘れられれば回答も変わってくる可能性がある。

 JAグループは今こそ従来にも増して、食の安全ひいては農業への理解を高める努力が必要だ。全青協は、子どもの農業体験など食農教育を強化することを決めたが、長い目で見れば農業への理解者を増やす最も有効な手段と思われる。「農の応援団」を今こそ増やそう。

食料有事
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