1999年4月4日 山の手線よみよみジャック!!

01 電車の一車両をジャックして、大勢で一斉に「人生はピクニック」を読みふけりながら山の手線を一周…。出版界の宣伝法は数あれど、かつてこれほどアホな企画があっただろうか。金はないけど、体は張る!
4月4日にちようび、サンクチュアリ出版は『よみよみ隊』を率いて、アホアホ作戦をついに決行した。

遠くは九州から自腹切っての参加“含み笑い隊”執念の集合…
薄曇りの日曜日、朝9時30分。いつもならまだスースー寝息をたてている時間である。
ったく、誰が来るっちゅーんじゃ、こんな非生産的な企画に。ひとり愚痴ブチブチ、ふあぁぁぁ…とあくび全開で大崎駅の改札をくぐったアタクシ。ん?
なんじゃありゃ!?
人通り少ない改札前に似つかわしくない人だかり、もしや…。
ハイ、その通り。『人生はピクニック、よみよみ隊の集合場所はコチラ!』看板がその輪のなかに揚々と掲げられておりました。今回の山の手線よみよみジャック、参加人数は読者有志43人(!)にスタッフ5名を加えた総勢48名。
もちろん、ボンビー出版社サンクチュアリに集合場所までの交通費を負担できる財力などあるはずもなく−−当の山の手線料金だって自己負担してもらったんだーい。ゴメンネ−−、有志の方々は自腹切っての参加。しかも話を聞くと、なかには遠方(九州、関西など)から、このために上京したという方もいらっしゃるではないか。それなのに、それなのに、文句ひとつ言うどころか電車を待つみんなの顔ったら一様に“含み笑い”…。企画側ながらアタクシ、みなさまのやる気、ちょっと怖かったわ…(マジで)。

車内はシーン…
異様だって、アヤシすぎるってば
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はてさて一行はJR係員にGETされることもなく無事、10時3分大崎発の山の手線外周り電車への乗り込みに成功。日曜日の午前中だけあって同じ電車に乗り込む人はまばら、先頭車両には作戦通りワレワレのみが乗車することになった。車両内の状況は、イス・ほぼ全席ジャック、5〜6名が立ち。準備万端、いよいよ、よみよみ隊は新宿方面へ向かって読み読みを開始したのであーる。
 ゴトン、ゴトン…電車は大崎から品川へ。車内は静まりかえり、同車両に乗る人全員が一斉に人生はピクニックを読みふけっている。
一言でいうなら、想像以上に異様・・・。ちゅうかさ、『電車に乗ったら私語は禁止。一心不乱に読み続けてください』とのお願いは確かにしたワよ。でもさ。まだ他のお客さんはひとりも乗ってないんだからさ、ちょっとくらいしゃべろうよ…。ワタシの小さなツッコミも圧倒的な雰囲気に押され、はかなく空中へと消えていった。


05乗客は目をシロクロ
車内はまるで生ドッキリ!
最初のイケニエ(?)は、目黒駅あたりから乗車した20代前半の女の子。
不幸なことに、彼女はたったひとりでよみよみ車両に乗り込み、しかも、よみよみ隊員の間に座ってしまった。やがて電車が走り出したころに彼女は車内の異様さに気付く。まず、向かい合った長椅子の全員が同じ黄色い背拍子の本を読んでいることに、へ?
両隣に座る人々が読みふける様子に、んんッ?? で、最後に車内全体をそれとなく見回して、ヒェ〜!! 絶叫さえせずとも、心の叫びは確かに聞こえましたですよ、ええ。
アタシも何か読まなくちゃ、とバッグから読み物を出し、せっせと読んでいたけども、「なんでアタシ、こんな変な車両に乗っちゃったんだろう…」顔面いっぱいに氾濫した“後悔”のふた文字が、すんません、すごい可笑しかった。

その後も電車は走り続け山の手線を一周ちょっと。渋谷、新宿あたりから様々な人が乗車、おめかししたオバサンが、休日のおやじが、女子高生が、観光中の外国人が、とにかく同車両に乗ったすべての人が「なんじゃコレ?」のクエスチョンを頭いっぱいに浮かべておりました。ほんと、いたずらウォッチングを生で観てるノリ。あー楽しかった!
 経費もかかってないけど、宣伝効果あったの?と訊かれれば、それは疑問よ。でもたまには読者の方々と遊んでみるってのもオモロイね!参加してくださった皆さん、朝もはよから、電車賃も自己負担ながら、気持ちよく遊んでくれて、
本当にどうもありがとう!また、なんかやろうね!!

03
お、カメラ目線。ちなみに立ってるのは弊社の社長よん

06
記念撮影の合言葉は、カメラマン「人生は?」みんな「ピクニック!」…。テンション高すぎ

突撃よみよみレポーター・井上久美子
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