那覇市消防本部の救急出動件数と現場到着所要時間の推移
那覇市内で救急車が出動要請を受け現場に到着するまでの所要時間について、那覇市の昨年平均は8・1分に上り、全国平均6・5分を大きく上回ったことが分かった。那覇市消防本部は自力で医療機関に行ける軽症者による出動要請の増加が主要因とみており「救える患者を救えなくなる危険な状態」と話している。同本部は現場で患者の傷病状況を確認してから搬送の要否を判断する「現場救急搬送トリアージ(優先順位)」の南部地区全体での導入を同地区メディカルコントロール協議会に提案した。試験的に導入している東京消防庁の1年間の実績を踏まえ、市消防独自でも導入を検討する考えだ。
「現場救急搬送トリアージ」とは現場に到着した救急隊員が患者の容体を見て明らかに緊急性が認められないと判断した場合、自ら医療機関に行くことへの同意を求めるもので、同意が得られれば次の出動に備えられる。
過去10年の那覇市の到着所要時間は2004年までは6・2―6・7分の間を推移していたが、05年、06年は7分台に達した。07年は一気に8分を超えた。県内平均は04年6・4分、05年6・3分、06年6・2分と短くなっているのに対して、那覇市は逆に時間が長くなっている。
こうした事態の中、市消防本部は救急車が出動中に救急隊員が消防ポンプ車で現場に行き応急手当てなどを行う「PA連携」を昨年から実施せざるを得なくなり、12月までにポンプ車が457回も出動した。今年1月、心肺停止状態に陥った男性(59)に対し、最寄りの消防署の救急車が軽症患者を搬送中だったため対応できず、代わりにポンプ車を急行させ、自動体外式除細動器(AED)で一命を取り留めた。
抜本的改善を目指す同消防本部は先月、病院と救急救命士の連携強化を図る南部地区メディカルコントロール協議会で現場救急搬送トリアージを提案した。
東京消防庁が昨年6月から試験的に実施した結果、半年間で162件中100件は自ら医療機関に行くことに同意したため、1件の任務時間が平均約16分短縮できた。
(新垣毅)
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