市立病院 収益重視へ/那覇 独法化でスタッフ増
診療費に上乗せ
四月一日から地方独立行政法人に移行する那覇市立病院の中期計画案(二〇〇八―十一年度)が二十四日までに分かった。患者一人当たりの診療単価のアップなど収益確保に重点を置いた内容で、医療スタッフの増員や高度医療機器の充実に加え、地域診療機関との連携強化による入院日数の削減を図る。(座安あきの)
四年間の営業収益合計は三百九十億九千二百万円、純利益は六千九百万円を見込む。〇六年度に電子カルテ導入などで投資した十六億円が現在の赤字経営の主要因となっているが、収益改善を進め、〇九年度には黒字転換を予定。
病床看護師の割合を現在の「十対一」から「七対一」とし、看護師を九十一人増の三百九十人、医師を十人増の六十七人に増員する。人件費の増大分を診療単価に上乗せし、一人一日当たりの平均入院費は二千六百七十三円アップの三万八千九百二十九円、外来は七百五十六円アップの一万九百六円となる。
入院費にはこれまでの出来高払い方式から疾患別に報酬を定額料金とする包括払い「DPC」を導入する。入院から退院、治療に関する診療計画「クリニカルパス」を地域の医療機関と連携して実施。病床の回転率を上げ、稼働率を1・4ポイント増の93・6%に向上させる。
看護師は四月から約百人の採用が決まっており、初年度で目標を達成する見通し。一方、四月以降の医師(正職員)の採用は四人。〇七年度に設置したドクターリクルートセンターを活用し、大学や他の医療機関からの医師確保に努める。
同病院の渡嘉敷操次長兼管理課長は「看護師数が増えることでサービスが手厚くなる上、入院日数が減ることは患者にとってもメリットがある。地域の医療機関と役割分担しながら急性期医療機関としての機能を発揮したい」としている。