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実態見据え、抜本解決を 相次ぐお産中止や制限 '08/3/25

 【解説】今年からお産を中止したり、制限したりすることを決めた医療機関が、全国で七十七カ所にも上ることが明らかになった。厚生労働省が緊急に医師を派遣して支援を予定しているのは、このうち七カ所にすぎない。

 地域医療の崩壊を防ごうと、多くの自治体が産科医確保に躍起になっている実情をみれば、医療関係者から「国の認識は甘く、根本解決にほど遠い」と批判の声が上がるのは当然といえよう。小手先ではない、実態を見据えた抜本的な対策が求められている。

 そもそも産科医不足の背景には、長時間労働や高い訴訟リスクなどがあるとされる。国は診療報酬での優遇措置や、出産事故で医師の過失がなくても患者に補償する制度など、矢継ぎ早に対応を打ち出すが、効果のほどは不透明だ。

 国の医師派遣制度に対しても「そもそも派遣元の医療機関でさえ医師が足りない」との声があり、場当たり的な印象も否めない。

 産科医確保は、小児科、救急と並ぶ緊急の課題だ。医師数を増やすため、人材育成や労働環境の改善などに必要な予算を投入するなど、国は対策に本腰を入れる時期に来ている。




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