【パリ=林路郎】フランスのサルコジ大統領は24日、中国の胡錦濤国家主席に親書を送り、チベット自治区などでの暴動に対する当局の対応について、「行動を抑制し、対話によって暴力に終止符を打つ」よう求めた。
また、大統領は、中国政府とチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の対話再開に向け、仲介する用意があると伝えた。
フランスでは、クシュネル外相が先に、欧州連合(EU)として北京五輪の開会式をボイコットすることへの賛意を表明したが、仏政府内では「非現実的だ」との考え方が強まっている。
一方、左派系の仏紙リベラシオンが24日掲載した世論調査では、五輪開会式のボイコットに「賛成」が53%に上った。サルコジ大統領の動きは、こうした世論の流れをにらみ、事態の沈静化と五輪の正常開催を望む仏政府の立場を中国に伝える狙いと見られる。
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