皇居の賢所仮殿から神体などを宮中三殿(左)に戻す「奉遷の儀」 |
皇室の祭祀(さいし)で使われる皇居「宮中三殿(さんでん)」の耐震改修工事がほぼ終わり、25日午前、賢所仮殿(かしこどころかりどの)から「三種の神器」などの神体を戻す「奉遷(ほうせん)の儀」が行われた。
三殿は、皇室の祖神・天照大神(あまてらすおおみかみ)をまつる「賢所」、歴代の天皇らをまつる「皇霊殿(こうれいでん)」、国中の神々をまつる「神殿」の総称で、1888年(明治21年)に建てられた木造建築。耐震調査で「改修が必要」と診断され、宮内庁は2006年度から4年計画で銅板の屋根の葺(ふ)き替えや柱の補強などを進めてきた。
三殿には歴代天皇に皇位の象徴として継承される「三種の神器」のうち、伊勢神宮にある「八咫鏡(やたのかがみ)」の複製などが収められているとされ、この日は祭祀を担当する掌典職(しょうてんしょく)の職員らが「御羽車(おはぐるま)」に載せ、約15分かけて仮殿から三殿に移した。
天皇、皇后両陛下は仮殿ではモーニングなどの洋装で庭から拝礼されていたが、今後は毎回、祭服などの装束に着替え、三殿内での拝礼となることから、宮内庁は負担が増すとして、来年から祭祀を見直すことにしている。
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