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軍事スパイと認定 中国系米国人に禁固24年5月

2008年03月25日11時00分

 勤務先の米軍需企業から得た海軍関連の技術情報を中国に渡したとして、軍事技術の輸出規制を定める連邦法違反などの罪に問われた中国系米国人、チ・マク被告(67)に、カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁は24日、禁固24年5カ月(求刑同30年5カ月)を言い渡した。判決はマク被告が長期にわたり中国政府に情報を渡していたと認定。被告側は控訴する方針だ。

 公判資料などによると、マク被告は米海軍の仕事を請け負う同州の企業に技術者として勤務。05年10月、同社から持ち出した軍事情報をCDにコピーし、マク被告から受け取った弟夫婦が中国に渡航しようとしてロサンゼルス空港で逮捕された。CDには米海軍の核推進システムに関するデータが記録され、マク被告の自宅からは次世代駆逐艦開発や潜水艦の静音化技術に関する資料が見つかった。

 検察側は、マク被告が逮捕後の取り調べで「83年以降、中国政府に情報を渡し続けていた」と供述したと主張した。弁護側は取り調べの録画がないことを理由に供述の信用性を争い、「技術に関心があった一介の技術者にすぎない」とスパイ説を否定したが、判決は検察側の主張を支持した。

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