欧州半導体大手のSTマイクロエレクトロニクスとシンガポールのバイオ企業ベラダス・ラボラトリーズは24日、鳥インフルエンザなどの病原体を2時間以内に検出できるDNA(デオキシリボ核酸)チップを使った小型診断装置を開発、近く販売すると発表した。短時間で主なインフルエンザ・ウイルスを一度に検出できる装置の商品化は世界初という。
DNAチップは使い捨てで、小指の指先ほどの大きさ。血液など検体を試薬に混ぜてチップに注入後、特殊装置でDNAを増やし、光学式読み取り機で分析する。システムの重量はDNAを増やす装置と読み取り機の合計で約10キログラム。従来の診断には設備の整った研究施設が必要で、分析には数日から数週間かかっていた。
鳥インフルエンザの感染が続くアジア各地の病院、空港、港湾施設、養鶏農場などに販売する計画だ。装置やチップの販売価格は未定。検査費用は1回200シンガポールドル(約1万4000円)以下になるとみられる。(シンガポール=野間潔)(00:18)