岡谷市と下諏訪町が地元医師会に委託し、市町単位で行われている「休日急病当番医制度」が、5月11日から一本化される。開業医の高齢化や診療所の休廃止で、各市町一施設体制による休日診療が困難になったため。通常は岡谷下諏訪地区で一施設体制とし、盆や年末年始、インフルエンザ流行時には現行通り市町単位の2施設体制で対応する計画だ。
現制度は、岡谷市が岡谷市医師会、下諏訪町が諏訪郡医師会に委託し、年間73日の休日急病患者を、各医師会加盟の地元診療所が輪番制で診察している。しかし、開業医の高齢化や診療所の休廃止で負担が増加。両医師会は休日診療体制の維持に向けて制度の一本化を決め、行政側と協議を進めていた。
両市町の休日診療実施施設は41施設(岡谷29施設、下諏訪12施設)。制度変更で患者の選択肢が減ることになるが、午前9時―正午だった診察時間を「午前9時―午後5時」に拡大。盆や年末年始、インフルエンザ流行時は各市町一施設体制で対応し、診療科目の調整も図りながら急病患者に備える。
岡谷市によると、同市では年間1800―1900人の患者が受診するが、開業医の平均年齢は60.3歳で、年2、3回は当番医として「2週間働き続ける」。制度変更で当番回数は「年2回」に軽減されるという。下諏訪町によると、町内ではここ数年で5施設が診療を止めており、各施設の負担が増していた。
市健康推進課は「湖北地区は一つの医療圏であり、選択肢が減っても不便をかけることはない」とし、「この機会に休日当番医は急病に限って受診する施設だと認識してほしい。いつでも相談できるかかりつけ医を持つことも大切です」と話している。両市町は今月中に全戸配布するチラシや広報を通じて、制度変更の周知を図る。