日本医師会の石井正三常任理事は3月24日、消防庁が開いた都道府県メディカルコントロール(MC)協議会担当者会議で、現在の救急医療の現状は厳しいとの見方を示した上で、「根本要因は医療費抑制政策にある」と訴えた。日医として、今後は医療費抑制の是正のために政府や与党に訴えていくとの姿勢を示した。
石井氏は、「救急患者の搬送受け入れ不能は、喫緊の社会的課題」と述べ、国が進める医療費抑制政策が原因になっていると指摘。医師や看護職員の偏在や不足、救急対応能力の低下などの問題はこうした国の政策が根本にあるとした上で、「2次救急医療は3次救急の負担軽減のためにも整備や充実を考えるべきだが、2次救急を担う医療機関が疲弊している」と訴えた。
その上で、日本医師会として「救急医療への対応能力を再生するために、国の医療費抑制政策是正について、政府与党に主張、国民にも働きかけていく」と主張。今後は全国MC協議会連絡会にも参加し、広域搬送や地域連携体制の構築に協力したいとの姿勢を示した。
■照会回数のみで判断は患者の不利益
石井氏はまた、消防庁が発表した救急医療機関に対する受け入れ照会の実態調査について、「照会の回数のみを見て実態を判断するのは患者に不利益を与える」との見方を示した。救急患者の疾病は多様で、対応する医療機関もさまざまなため、医療機関との適切なマッチングの観点から詳細な検証を進めてほしいと要望した。
更新:2008/03/25 08:46 キャリアブレイン
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08/01/25配信
高次脳機能障害に向き合う 医師・ノンフィクションライター山田規畝子
医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。