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生活

訴訟の前に対話で解決 医療紛争の「主治医」メディエーター 資格普及へ協会発足(03/25 00:19)

 病院などに勤務し、医療事故などの際に、患者や家族と医師らの間に入り、訴訟となる前に対話による解決を目指す「医療メディエーター」。普及を図ろうと、この資格を認定する「日本医療メディエーター協会」(理事長・高久史麿自治医大学長)が今月、発足した。医療訴訟が急増する中、医療知識を持つ中立的な仲介者が紛争の初期からかかわることで、患者と医師双方の負担軽減につなげたい考えだ。

 患者の権利意識の高まりを反映し、医療関連の民事訴訟の提訴は、最高裁のまとめで、一九九六年の五百七十五件から二〇〇六年には九百十三件と一・六倍に。出産にかかわる訴訟の多発から医師の産科離れが進み、社会問題となっている。

 医療メディエーターは公的な資格ではないが、トラブル発生直後から、患者側との細やかな対話で信頼関係を築き、解決へつなげることが期待されている。医療事故防止事業を手掛ける財団法人日本医療機能評価機構(東京)などが、二〇〇四年から看護師らを対象に養成講座を開いてきた。

 既に約八百人ほどの修了者がいるが、患者らの信頼を得るためには、質を保証する仕組みが必要とされていた。

 同協会は一定の訓練を受けた人から申請を受け、認定する。同協会専務理事の和田仁孝・早稲田大大学院教授(紛争処理論)は「訓練修了者に研修などを行い、患者と医師双方の話をよく聞き、解決の道を見いだす誠実な姿勢を伸ばしたい」と設立の狙いを語る。メディエーターが紛争解決に携わることで医師の負担が減り、ひいては医師不足対策にもなると指摘する。

 道内では、医療メディエーターが相談を受けるのは手稲渓仁会病院(札幌)ら少数。同協会の道・東北支部代表の中村利仁・北大大学院医学研究科助手(医療管理学)は「先進地の活動を調べ、医療関係者、患者双方に制度を知ってもらうよう努めたい」としている。

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