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登録率向上各区が工夫

2008年03月20日

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これまで全国一律だった鑑札

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新宿区の新しい「犬型」鑑札。テーマは「可愛いさ」だ

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「シンプルかつシック」が世田谷区のコンセプト

 犬を登録した際に交付される「鑑札」が変わる。全国一律の様式から自治体が独自にデザインできるようになった。テレビコマーシャルなどの影響でペットブームが続く中、登録されずに「迷い犬」となるケースも少なくない。「可愛いデザイン」「長く使える物を」。各区は工夫を凝らした鑑札をつくり、登録率のアップをめざす。
(水山和敬)

 飼い犬は市区町村に登録し、番号から所有者が分かる「犬鑑札」と、狂犬病の「注射済票」の装着が義務づけられている。これまでは二つとも国が定めた形式だったが、昨年の厚生労働省の通知で「自治体ごとのある程度自由な改変」が認められるようになった。

 新宿区保健所は4月から鑑札のデザインを一新する。従来の楕円(だ・えん)形(縦3・5センチ、横2・5センチ)から「犬型」にした。大きさや材質(ステンレス製)は変わらないが、鼻や耳を黒色にして「皆さんが可愛いと思ってもらえる物を目指した」。

 アイデアは職員が知恵を絞った。愛犬家の中には犬に洋服を着せる人もおり、「アクセサリーとしても違和感のないようにした」。千代田や台東区なども、新宿区のデザインを採用する予定だという。

 「シンプルかつシック」な路線を取るのが世田谷区。従来とほぼ同じ楕円形だが、デザインはプロのデザイナーに依頼。材質もステンレスからアルミに変え、大きさも小型犬ブームに合わせて一回り小さくした。

 同区保健所は「ぱっと見て良いものではなく、長く使えるようにとの視点で考えた」。材質も犬や飼い主がけがすることなく、汚れが進んでも「味になるもの」という。「注射票」もシールにして鑑札にはることができる。周知のため、スタートはあえて1年遅らせて来年4月とする。

 デザインは異なっても鑑札を新調する各区の思いは同じだ。飼い主に関心をもってもらい、登録率のアップを目指す。現在、登録されているのは飼い犬の半分程度と言われる。世田谷区保健所は「注射票がない犬にかまれれば、狂犬病を心配しなければいけない。鑑札がなければ、『迷い犬』となり致死処分となることもある」と、犬を飼う場合は必ず登録するよう呼びかけている。

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