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聖火が神聖不可侵なら、人権さらに神聖 採火式に乱入
このニュースのトピックス:北京五輪
【パリ=山口昌子】北京五輪の聖火が24日、古代五輪の開催地、ギリシャのオリンピア遺跡で採火された。式典では、北京五輪組織委員会の劉淇会長の演説中、男性2人が乱入して取り押さえられる騒ぎが起きた。採火式が妨害されたのは、近代五輪史上初めて。
乱入したのは、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF、本部・パリ)のメンバー3人で、手錠の輪が五輪のマーク状に並んだ旗や、「人権を踏みにじる国をボイコットしよう」と書かれた横断幕を掲げた。
RSFは同日、「聖火が神聖不可侵なら、人権はさらに神聖不可侵だ」との声明を発表し、「中国での人権状況を非難せずに中国政府に平和の象徴である聖火を勝手に扱わせるわけにはいかない」と、チベット騒乱の制圧に代表される中国の人権無視を糾弾した。
RSFによると、3人のうちロベール・メナール事務局長は、長年の功績により、23日にフランスのサルコジ大統領から同国最高の栄誉章であるレジョン・ドヌール勲章を授与されたばかり。同大統領は同日、中国の胡錦濤国家主席あてに「自制とチベットとの対話による暴力の停止」を訴えるメッセージを送った。