中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし・健康 > 暮らし一覧 > 記事

ここから本文

【暮らし】

レジ袋有料化前線 北へ 南へ 行政含め三者協定 マイバッグに抵抗感なし

2008年3月24日

 地球温暖化防止やごみ減量のため、レジ袋の無料配布を取りやめる店が増えている。最近は、事業者と自治体、地元住民らが協定を結んで有料化するのが主流で、経済産業省が把握した分だけでも23日までに、11自治体の329店が有料化した=(地図参照)。富山、山梨、沖縄の各県のスーパーも4月以降、続々と有料化していく予定。東京都町田市では、協定に基づいてレジ袋を全廃するスーパーも現れた。 (佐橋大)

 十四日にレジ袋を全廃したのは、東京都町田市のスーパー「三和」小山田店。廃止を知らない人や忘れた人のため、貸し出し用のバッグも準備したが、99%の人がマイバッグを持ってくる。「客足は変わらない」と山ノ内進介店長。レジ袋削減で浮いたコストは、ポイントで客に還元する。

 買い物客からは「以前もマイバッグを使っていたが、よく忘れた。レジ袋廃止で常に持ち歩くようになった」(四十代女性)、「店が変われば、消費者も変わるのよ。環境のために、できることから始めなきゃ」(六十代女性)などの答えが返ってきた。

 当面六カ月間廃止を続け、効果を検証。その後、市は、市内の他店にも廃止を呼び掛けるつもりだ。「全市的なレジ袋ゼロ」を目指す。

      ◇

 レジ袋の廃止や有料化は、これまで、あまり広がらなかった。「サービスの低下ととられ、他の店に客が流れる」と考えられていたからだ。

 しかし、最近は事情が変わってきた。昨年施行の容器包装リサイクル法は、小売業者に削減目標を国に報告するよう義務づけ、努力不足と判断すれば、国が改善を勧告・命令すると定めた。地球温暖化や資源枯渇の危機が叫ばれるようになり、環境への配慮が消費者に評価されるようにもなった。

 そこで出てきたのが、行政、市民などと協定を結ぶ方式。地域の協力が約束されることで、顧客流出のリスクが減り、レジ袋の削減効果も高まる。狙い通りの成果を上げる例も多い。

 昨年一月、レジ袋を有料化した東京都杉並区のスーパー、サミット成田東店では、マイバッグ持参率が30%から70%台に上昇。売り上げも当初は5%ほど落ち込んだが、九月以降は前年並みを保っている。杉並区や東京都日野市の五店でレジ袋を有料化している「いなげや」の広報担当者は「バッグ持参率は二割から八割に。売り上げへの影響は、ほとんどない」とする。

 名古屋市は、既に導入した緑区でのマイバッグ持参率が90%近くで、参加店の売り上げもほとんど落ちていないことから「レジ袋の削減は市民に浸透している」と判断。市内全域にレジ袋有料化を拡大する時期を当初予定の二〇一〇年四月から一年前倒しする方針だ。

 全国の五十一店を有料化したイオングループも「当初は3−4%来客が減った店もあるが、一カ月以上たつと、どの店も前年並みに回復した」とし、二〇一二年までに全国の七割にあたる千店舗でレジ袋を有料化する計画。現在二十以上の自治体と有料化を協議している。

 

この記事を印刷する

広告