「二式大艇の風景」
<平成15年9月18日>
世界に冠たる飛行艇王國だつた。
日本で唯一、あの飛行艇の勇姿を今に傳へる彼女。
帝國海軍の記憶を濃縮させていた。
あひかはらず、私は緊張してゐた。日本海軍の生き証人に会へる瞬間に。
この気持ちを忘れずに、二式大艇といふ彼女と対座する。
(海軍では傳統的に船や飛行機を女性人格で扱つていたわけで、別に私が特別な性癖で飛行機を女性としてみてゐるわけではなく、これが海軍傳統なので惡しからず?)
「二式飛行艇一二型」(H8K2)
川西航空機設計・製作の日本飛行艇の集大成。各型合計167機製造された。同時代の外国製飛行艇を遙かに上回る性能を発揮。海戦後の昭和17年3月から参戦し、哨戒、偵察、連絡業務、輸送、爆撃などの諸任務に使われた。
船の科学館展示の二式飛行艇は詫間空から亜米利加軍の手に渡り、約30年間亜米利加本土にて保管されてきたが、破棄されることとなったため、「船の科学館」初代館長笹川良一氏が英断し、昭和53年(1978年)にノーフォーク基地から引き取った、現存する世界唯一の機体。
以前、「二式飛行艇を求めて」にて語つた。
ひさしぶりに二式大艇といふ海軍由來の彼女にあへてうれしかつたので、寫眞を掲載。
もともとは「工作船」見物の産物ですが。
*2004年3月。彼女は「鹿屋基地史料館」で餘生を送るべく移設展示され「船の科学館」にはすでに居りません。思へば、この時が最後の出会ひだつた・・・。
二式大艇の麗しい顔 |
飛行艇らしい左翼 |
胴体中央の日の丸 |
可愛らしい艇尾 |
そして艦底(艇底?) |
愛くるしい正面 |
優美な横姿 |
スマートな横顔 |
左翼 |
海軍の姿。 懐かしい姿におもはず涙。 |
・・・おまけ。今囘はひたすらに寫眞掲載でお茶を濁します。
宗谷 |
宗谷と羊蹄丸 |
宗谷と海保巡視船「のじま」 |
羊蹄丸艦尾(青函連絡船なごりがよくわかる) |
船の科學館 |
宗谷と科學館 |