赤ちゃんに一風変わった名前が流行、専門コンサルタントも登場

2008年 03月 23日 15:13 JST
 
記事を印刷する |

 [キャンベラ 20日 ロイター] 米女優ハル・ベリー(41)が今月出産した娘に「ナーラ(Nahla)」と名付けて話題になったが、専門家によれば、子どもに珍しい名前を付けるのは現在の流行で、名付けコンサルタントという新しい職業まで出てきている。

 子どもの名前に家名や男女両方に通じる名前などを利用する親は減る一方、悪い意味ではなく大勢の中から目立つ名前を付けたいと思う親が増えている。

 ウェブサイト「Babycenter.com」のネット調査によると、親の15%は名前が子どもの人生の成功を左右すると考えており、そのことが他人に名付けのアドバイスを請う背景となっている。

 同サイトの編集長、リンダ・マレー氏は「かつては家族の中や聖書から名前を選ぶのが一般的だったが、今日ではあまりに選択肢が多過ぎて、多くの親は困惑してしまう」と指摘。「親が公に行う最初の大きな決定である名付けは、大きなストレスの種となり得る。支援を求める人がいる状況を受けて、名前の由来について知識を持った人がサービスを提供するコンサルタントも、ここ数年で出現してきている」と語った。

 精神世界に関連した名前や、意味を含んだ名前が人気となっており、コンサルタントの相談料金は25ドルから数百ドルまでさまざまという。

 ハル・ベリーは、娘の名前の由来を明らかにしていないが、「ナーラ」にはスワヒリ語で「贈り物」、アラビア語で「1杯の水」など、いくつかの意味があることが分かっている。

 米女優アンジェリーナ・ジョリーと俳優ブラッド・ピットが娘の名前に選んだ「シャイロ」はヘブライ語で「平和的な人」といった意味があり、米俳優トム・クルーズと女優ケイティ・ホームズが娘に付けた「スリ」は「お姫様」や「赤いバラ」といった意味にも解釈される。

 <メールの汎用つづりが名付けにも使われる現状>

 ここ数年で世間を驚かせた名前としては「Nevaeh」がある。天国(heaven)を逆からつづったものだが、この名前は女の子の名前で2006年に米国の人気トップ100の43位に入っている。

 マレー氏は「人々は自分の娘がクラスで9人目のソフィア、といった状況に置かれるのを嫌がっていて、男の子の名前には強さを、女の子の名前には女の子らしさを求めている」と語った。

 また、オーストラリアの調査機関で社会アナリストを務めるマーク・マクリンドル氏は、携帯電話のテキストメッセージや電子メールで多用される、音声を基準にした特殊なつづりが、赤ちゃんの名前にも反映され、変わったつづりが流行になっていると指摘する。

 そうした例には、アレキサンダー(Alex-Zander)やキャメロン(Cam'ron)、エメリー(Emma-Lee)、オスカー(Ozkah)、タイラー(Thaillah)などがある。

 同氏が昨年、出生登録所で調べたところ、「ジェイデン」という名前には12通りの、「エイデン」と「アメリア」にはそれぞれ8通りの異なるつづり方があったという。

 同氏は「伝統的な名前に、独特のつづりや変わった読み方を適用するのもはやっている」と説明。「i」の代わりに「y」、「c」の代わりに「k」を使ってジェイコブ(Jaykob)やリンカーン(Lynkon)とつづったり、同じアルファベットを2回重ねたサイモン(Siimon)やクリス(Chriss)、このほかエメリー(Emma-Lee)などハイフンの使用も広まっているという。

 子どもにまずい名前をつけてしまうことを非常に心配する親もいるが、結果的には97%の親が選んだ名前に満足し、付けた名前を後悔しているのは3%という調査結果が出ている。

 (ロイター日本語ニュース 原文執筆:Belinda Goldsmith、翻訳:長江 知加代)

 
 
Photo

編集長のおすすめ