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【岐阜】

揖斐川町図書館に高田直希文庫 事故死大学生遺族の寄付で

2008年3月23日

高田直希文庫を見学する泰樹さん(左から2人目)ら家族=揖斐川町図書館で

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 揖斐川町立図書館は、同町清水の建設会社社長、高田泰樹さん(53)が贈った300万円を元に福祉や教育、交通安全をテーマにした文庫「高田直希文庫」を設けた。

 文庫の名称は、昨年7月に交通事故で亡くなった高田さんの長男で大学3年直希さん=当時(20)=の名前から付けた。直希さんは横浜市青葉区の下宿近くの交差点で、バイクを運転中に右折してきた対向車と衝突、首などを強く打ち死亡した。

 高田さんは悲しみをこらえ、地域への恩返しの気持ちを込めて「教育などに役立ててもらおう」と昨年9月、町に300万円を寄贈。町側は、直希さんの名を残せるような形で活用するため、故人の名を冠した文庫を計画した。

 文庫は、子育てや高齢者福祉、交通心理学、歴史、考古学の専門書に加え、百科事典など計708冊。町教育委員会は、約130万円で新しい書架を用意し、今月上旬に文庫を開設した。

 お披露目式が21日にあり、高田さんと妻ゆりさん(46)、長女奈津希さん(22)、二男大貴さん(19)が初めて文庫を見学。高田さんは「息子の名が残りうれしく思っている。多くの町民の皆さんに文庫を利用していただきたい」と話していた。

 (小野谷公宏)

 

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