旧長崎刑務所浦上刑務支所収容中に原爆の犠牲になった中国人の追悼碑の起工式が23日、長崎市松山町の平和公園であった。雨の中、建立委員会(代表、本島等元市長)の関係者ら約10人が予定地にシャベルを入れて献花。午前11時2分の原爆投下時刻に合わせ、黙とうをささげた。

 原爆投下時、同公園内には同刑務支所があり、崎戸炭鉱(現西海市)などで強制労働を強いられ、治安維持法違反容疑などに問われた中国人収容者が犠牲となった。

 碑は幅2メートル、高さ2メートル40センチ。市の記録で確認された32人の名前を刻み「この地で原子爆弾により非業の死を遂げた中国の方々を追悼するとともに非戦と核廃絶を誓ってこの碑を建立する」という碑文を添える。盧溝橋事件(1937年)が起きた7月7日の除幕式を目指している。

 総工費300万円を賄うため、同委員会は23日、市街地で街頭募金も行い、協力を呼び掛けた。寄付金は1口1万円で、振込先は「長崎の中国人強制連行裁判を支援する会」(郵便振替01700.2.112526)。問い合わせは平和活動支援センター=095(822)5253。

=2008/03/24付 西日本新聞朝刊=