【3月23日 AFP】台湾総統選から一夜明けた23日、地滑り的勝利を収めた国民党(Kuomintang、KMT)の馬英九(Ma Ying-jeou)次期総統は、中国と「互いに否定することのない」合意を望むと述べ、平和と繁栄の1世紀を見据えた中国との関係の土台作りを明言した。
台湾が中国の一部だとの見解を崩していない中国との関係を改善する姿勢を内外に示したが、現在のところ、近い将来に中国を訪問する予定は立っていないという。
■中国とは「互いの生存権は否定せず」対等の立場で
双方が互いの生存権を認めない政策は過去のものだがとしながら、互いを承認することもまた「問題外」だと言い切る馬氏は、「互いを否定せず、しかも中国の台湾における主権は認めない」道を目指すとの方針を示した。
また今後の中国との対話について、「台湾の将来について(中国と)交渉するものではない」と明言し、「台湾の独自性は尊重されなければならない。対等の立場で話し合うことが重要だ」との考えを明らかにした。
さらに馬氏は、中国との対話の3つの柱として、経済協力の合意、突発的な事態を避けるための軍事的信頼の醸成を含む和平協定、外交の主体性確保を挙げた。
■チベット自治を支持
チベット問題について馬氏は、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世の台湾訪問について、「大歓迎する」とし、「ダライ・ラマ14世は節度があり、非常に説得力のある人物だと考える。だからこそ、彼のチベット自治の理念を支持する」と語った。
■ブッシュ大統領も祝福
ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は書簡で、「総統選は(中台)双方が歩み合い、協力して平和的に相違を解消する新たな機会を提供したと信じる」と述べ、馬氏の勝利で中国との話し合いに新たな機会が生まれたと強調した。(c)AFP/Kevin McElderry
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