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【グローバルインタビュー】「世界中のチベット人は3月10日を忘れない」英人権団体幹部 (2/2ページ)
−−チベット自治区ラサやインドの各地で一斉に抗議活動が起きたが、事前に組織されていたのか
「まず3月10日が、世界に散るチベット人にとって大変重要な日であることを理解すべきだ。チベット動乱が起きた1959年のこの日、ダライ・ラマは亡命せざるを得なくなった。インドであれチベットであれ世界中のいたる所でチベット人は毎年、この日を思い起こす。だからチベット人社会が存在するところで抗議活動が起きた。平和的な抗議で始まったが、チベット自治区では中国治安当局に僧侶らが容赦なくねじ伏せられた」
−−今年夏に北京五輪が開かれることと関係しているのか
「中国当局は情報がチベット自治区を出入りするのを阻止するため、あらゆる手段を用いている。しかし、北京五輪が近づき、中国とチベット自治区のひどい人権状況に世界が目を向ける絶好の時期だということをチベットの人々は知っていた。投獄され、拷問され、命さえを落とす危険があるにもかかわらず、彼らには行動を起こす理由があった」
−−2006年7月、中国青海省とラサを結ぶ高原鉄道「青蔵鉄道」(総延長1956キロ)が全線開通し、ラサへの漢民族の移住者が急増、小売業などを独占し始めたためチベット人の間に不満が高まり、一気に爆発したとの報道があるが
「青蔵鉄道は2つの理由から巨額の費用を投じて建設された。1つは漢民族入植者を猛スピードでチベット自治区に送り込み、チベット人より漢民族の人口を増やすためだ。もう1つの理由はチベット自治区の天然資源を運び出すためだ。(鉄道ができた)結果、中国語がよどみなく話せないチベット人はきちんとした生活を送るのは不可能になった」
−−国際社会は北京五輪をどう扱うべきか
「国際オリンピック委員会(IOC)は五輪の聖火がエベレストに運ばれるのを止めるべきだ。聖火は中国の一部ではないチベットを通るべきではない。国際社会はこの機会に、中国政府に亡命政府と誠意を持って交渉するよう明確に要求すべきだと考えている」