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【国際】

欧州議会議長も表明 チベット暴動鎮圧 五輪ボイコット検討

2008年3月23日 朝刊

 【ベルリン=共同】二十三日付のドイツ紙ビルト日曜版によると、欧州連合(EU)欧州議会のペテリング議長は同紙との会見で、中国チベット自治区での暴動鎮圧を受けてEU各国は夏の北京五輪ボイコットを検討すべきだとの考えを表明した。ドイツのシュタインマイヤー外相も開会式ボイコットの可能性を否定しなかった。

 ペテリング議長は「中国政府はチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世と即刻話し合うべきだ」とした上で、もし中国側に妥協の姿勢が見えなければ「ボイコットという対応は正当化される」と述べた。

「中国政府は情報公開を」 

 【北京=新貝憲弘】中国チベット自治区ラサから広がった一連のデモ、暴動を受けて、反体制作家の劉暁波氏ら中国国内の知識人約三十人が二十二日、中国政府に情報公開やダライ・ラマ十四世との直接対話を求める「チベット情勢解決に関する十二の意見書」を発表した。在米のインターネットメディア「博訊」が伝えた。

 意見書は「中国政府側のメディアを使った(暴動のひどさだけを伝える)宣伝方式は民族間の恨みの感情をあおり、情勢を緊迫させる」と指摘。国連人権理事会の調査と海外メディアの取材受け入れや、暴動に加担したとされる容疑者の裁判を公開し、透明な司法手続きで行うよう求めている。

 知識人のなかには、一九八九年の天安門事件で息子を亡くした元大学教授で「天安門の母」と呼ばれる丁子霖氏や、北京在住のチベット族女性作家、ツェリン・ウォセ氏の夫で作家の王力雄氏がおり、それぞれ署名した。ただ、米政府系放送局「ラジオ自由アジア」によると、夫妻は今月十日から自宅軟禁状態という。

 

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