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【教え育てる】慶応義塾幼稚舎長・加藤三明 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:学校教育
つまり幼稚舎の教育は1人の担任の“長い目”と、専科スタッフがいろいろな角度からみる“複数の目”によって、子供たちを見守ることで成り立っているのです。
教育内容については担任の創意工夫にかなりな部分まかせています。隣のクラスと教材が違っていたり、方法が違っているケースもあります。私も担任をしていたとき、歴史にどうしても力を入れたいので、国語の1時限を歴史の授業に当てたことがありました。それぐらいは許容範囲で担任が自由にやっています。
慶応義塾の創立者、福沢諭吉の言葉に「独立自尊」があります。幼稚舎の教育も「独立自尊」の心を養うこと。担任は自分で教育内容や方法を考え、情熱をもって授業で展開する。その情熱に感化された児童は知的好奇心を揺さぶられ、自分から進んで学習に取り組む。そういう信頼感の上にこそ、幼稚舎教育は成り立っているのです。(次回は、学習院初等科長 中島平三さんです)