コンビニエンスストア大手が、店頭で売れ残った弁当などをリサイクルして肥料や飼料にし、それを用いて生産された野菜や肉を、再び弁当などの商品にして売る資源の循環に力を入れ始めた。この取り組みは「リサイクルループ」と呼ばれ、コンビニから大量に排出されるゴミの有効活用につながると期待が寄せられている。
ミニストップは、首都圏の一部255店から出る1日約2・5トンの生ゴミを、神奈川県や千葉県の食品リサイクル会社に運び、ほかの生ゴミと混ぜて飼料にしている。この飼料を食べて育った豚の肉を材料に使った「プチメンチカツのり弁当」=写真・ミニストップ提供=を4月から、関東地区で発売する。
確保できる豚肉は量が限られ、割高なこともあり使用量は材料の1割程度にとどまるが、同社は「売れ残り品の再利用を最後まで管理し、責任が持てる仕組みができた」と話している。
セブン-イレブンはすでに、売れ残りゴミをリサイクルした堆肥(たいひ)を使って生産したホウレンソウを商品に採用している。飼料についてもミニストップと同じく、豚に与えて弁当に使う予定だ。
ただ、「売れ残り品を再利用した商品が消費者に負のイメージで受け止められる心配もある」と、ミニストップは弁当にはリサイクルループの表示はしないことにしている。セブン-イレブンも「敬遠するお客もいるだろう」とみており、当面は消費者の理解を図りつつ進める方針だ。【遠藤和行】
毎日新聞 2008年3月23日 東京朝刊